相席ダーリン〈赤〉 (ページ8)

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すっかり火照ってしまった頬を冷ますのも１つの理由に

お手洗いへ行くとさっきのことを思い出して
また少しドキドキしちゃって、

頬を赤くさせている自分の顔を鏡でみながら
１つため息をついた。

いやいや、おかしい
まだ会って数時間しか経ってない相手に

こんなにドキドキするなんて

けどあんな風に、あんなナチュラルな対応を
されたのが初めてだったから…

元々、男の人とこんな風に関わることがない私にとったら

慣れないことをされて、突発的にドキドキしてしまっているのかもしれない。

うん、きっとそうだ。

そう自分に何度も言い聞かせて
軽くリップをひき直してからテーブルへ戻ると

ちょうどドリンクが運ばれてきていた時だったみたいで

私の元にはホットウーロンが１つ渡された。

サービスってわけじゃないのに、と
不思議に思ってたら前に座ってた重岡くんがあっ、と声を漏らす

「もしかしてウーロン茶嫌いな人？」

「え？・・・いや！全然！」

どうやら重岡くんが頼んでくれたみたいで

私が否定すれば安心したような表情だまたお酒に手を付けた。

どこまでも気遣い上手な姿にまた少しドキドキ。

ハイボールを飲む重岡くんの男らしい喉元とか
暑い店内の中、堪らずまくってある袖から見える腕も

変にかっこよく見えて

「自分、さっきから見過ぎやで」

なんて照れ臭そうに目を細める姿に
何故か嬉しくなった。

もうこの時点で私は完全に、
重岡くんのことを確実に気になってて。

だけど何かアクションを起こせる訳でもなく

連絡先も聞けないまま

終電を逃す前に解散してしまった。