ワンルーム・ラブ〈赤〉 (ページ9)

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「なぁ、プリン食べようや」

奈帆からのメッセージに二度目のため息をついた時、

しげがプリンを両手にソファに座った。

プリンだけでこんなに嬉しそうにしてくれるんだから

買って来てよかったなぁ。とか毎回思うんだよね。

「ありがとう、」

しげからプリンを受け取っておしゃれなパッケージを開ける。

そんな私の隣でもう既にプリンを口に入れたしげは

うま～、なんて幸せそうに目を細めた。

"ていうか、だいきくんイケメンやん"

"筋肉もいい感じについてるし"

"まぁまぁタイプ"

ついさっき奈帆から送られて来たメッセージ

呑んでる時は記憶にないとか、言ってたくせになぁ。

まぁ、私も地味そう、とか言ってたけど…

「しげ、奈帆が大毅くんイケメンやって」

「へぇ、」

「興味ないん？」

「まぁ。普通に嬉しいかな。
でも流星派やろ？」

テレビの中で行われてる漫才に笑いながら
適当に答える。

奈帆、美人だしモテるのに。

「まぁ、流星くんがタイプとは言ってた」

「流星レベルのイケメン、嫌いな人居らんやろうな。
性格もいいし。アホやけど」

最後の一口を食べ終えて、私の方をチラリと見る。

一口あげる、とまだ食べ始めたばかりのプリンを傾ければ

嬉しそうにスプーンですくった。

「大学でもモテて大変なんやろ？」

「おん、俺やったらあんな生活耐えられへんわ
食堂行ったらコソコソ女の子らがかっこいいかっこいい言うて
聞こえてるっつうの。」

「まぁ、しげに言ってる訳じゃないけどな」

「分かってるわ、」

ふは、と吹き出すように笑って

私の頭を優しく叩いた。

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