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42:) ページ42

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「ご、ごめん、、しんどいのにこんな…」




真っ赤になってる耳たぶ、ほっぺ。

そっと身体を起こしてくれるしげはりんごみたいだ。





でもきっとそれは私も同じで



じわじわと身体が熱を帯びる感覚、
どくどくと音を立てる胸、



全部熱のせい、なんて言い訳も通用されない




目の前にいるしげが、全て私もこうさせる。



下に落ちてしまったブランケットを拾って、
私の膝にかけながら


ゆっくりと口を開いたしげ、


そっと重なった掌にまたきゅんとした。







「この家を出てってすぐ、大学の友達に頼んで部屋貸してもらってさ。
その友達の親がアパート管理しててな?

学生限定で部屋貸してはって、まぁ軽くシェアハウスみたいな感じで住ましてもらっててん。」




3階建てのアパート、男8人、女4人が住居してて…




鼻のてっぺんをかきながらゆっくりと話すしげ。




何だか、絡まっていた糸が少しずつ解れていくような気がした。







「そこにサヤって子が住んでてんけど、
ほらAが前、駅で見かけたって言うてた」


「あぁ、うん、」


「元々バイト一緒で、気もきくし、ハキハキしてて、好きかもってあの時は思ってた。

だからたまたまそのシェアハウスで出会った時は
普通に嬉しかったし、これでええんや、って。

でもそんなん全然ちゃうくて、」



テレビ観てたらこの番組、A好きって言うてたなぁ、とか。

買い出し行けばこのプリン、よう買うて来てくれてたな、とか。



「俺、無意識で、無自覚で、Aのことばっかり考えてた。」





やっと、やっと気付いてん、




「俺、Aのことめっちゃ好きなんやって。」







その言葉と同時に
私の好きなえくぼを浮かべながら

しげが目を細めて笑う。




触れていた掌がきゅ、と繋がった。

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唯緒 - しげちゃんの誕生日なんでもう一回見に来ました!何回見ても幸せになれて最高のお話です! (2019年8月26日 1時) (レス) id: 9c8991db31 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 感動しています! (2019年2月14日 18時) (レス) id: 720a443b65 (このIDを非表示/違反報告)
しげころりん - めっちゃ泣きました! (2018年12月11日 10時) (レス) id: 911c0de7f3 (このIDを非表示/違反報告)
さくま(プロフ) - とても感動しました! (2018年9月9日 2時) (レス) id: 29e21d31eb (このIDを非表示/違反報告)
恋夏 - とても感動しました。最高です。 (2018年7月29日 19時) (レス) id: bda6d95fa7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Pina x他2人 | 作成日時:2016年12月7日 17時

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