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「泣いてるん?」



布団を鼻先まで持ってきて

熱くなる目頭を隠すように手で覆った。





しげの優しい声に意味もなくドキドキして







私の頭に遠慮がちに触れたしげの手、


ひんやりと冷たいその手、撫でられる感覚は


擽ったくて、嬉しくて、懐かしくて









「・・・ごめん、」




くしゃり、と前髪を撫で

しげがぽつりと溢す、







「言いすぎた、ごめん、ほんまに」




しげの弱々しい口調に

顔を覆っていた手を退けて

しげの顔を見つめた。






私と目が合うと、もう一度
ごめん、と謝る。






「言い訳にしかすぎひんけど、さ、
何回も謝ろうって電話しようって、

でも何か出来んひんくて、」





俺の変なプライドが、


変な強がりが、





「全部聞いた、加奈子ちゃんと奈帆ちゃんに。
最近、全然楽しそうじゃないって

休みの日もバイトばっかりしてるんやろ?


後、望と流星には怒られた。
あの流星にめちゃくちゃ怒られて、



そこでやっと気付いた、俺な…」





しげが何かを言おうとした時、

ごほごほ、と咳がでて



しげが眉毛をさげた。





「あ…、ごめんごめん
しんどいのに。

起きれるか?お粥つくったんやけど」






慌ててキッチンへ向かったしげ




体を起こしてその後ろ姿を見つめる、




それはどこか懐かしい光景だった。




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唯緒 - しげちゃんの誕生日なんでもう一回見に来ました!何回見ても幸せになれて最高のお話です! (2019年8月26日 1時) (レス) id: 9c8991db31 (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 感動しています! (2019年2月14日 18時) (レス) id: 720a443b65 (このIDを非表示/違反報告)
しげころりん - めっちゃ泣きました! (2018年12月11日 10時) (レス) id: 911c0de7f3 (このIDを非表示/違反報告)
さくま(プロフ) - とても感動しました! (2018年9月9日 2時) (レス) id: 29e21d31eb (このIDを非表示/違反報告)
恋夏 - とても感動しました。最高です。 (2018年7月29日 19時) (レス) id: bda6d95fa7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Pina x他2人 | 作成日時:2016年12月7日 17時

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