第六十七話 とてもふあんで、とてもふあんてい ページ19
『………』
何をやっているのだろう…私……香夜子を見る度に、あの接吻シーンが頭に浮かび、怒りが沸き起こる。奈々生に手を出されたからなんて、ただの建前だ……私はあの女がただ気に入らないんだ。
情けない……こんなにも自分の感情を抑えられないなんて……こんなんじゃ先が思いやられる。
屋上で仰向けになって寝転がっていると「探したぞ、萌奈」と巴衛の声が聞こえた。顔を覆っていた腕をゆっくり退けると、視界いっぱいに巴衛の顔が広がった。
巴衛「……頭は冷えたのか？」
『……ぜんぜん』
意地の悪い笑みを浮かべる巴衛から顔を背けると、巴衛は寝転がる私の頭を持ち上げて、自分の膝の上に乗せた。「何がそんなに気に入らぬのだ」と、優しく私の頭を撫でる巴衛に、私はなぜか泣きそうな気分になる。
なんで追いかけてきたのよ……自分の運命くらいわかってるのに……これじゃあ、期待してしまうじゃない。
巴衛「A、話してみろ。お前の不満ならいくらでも聞いてやる」
『……香夜子を見ていると、不発に終わったお前と香夜子の神使の契約が頭にチラつく……自分の感情をコントロールできなくなる……もしあの時……巴衛が香夜子に縛られてしまったら……巴衛が香夜子に取られるのが気に入らないの……』
私は巴衛の膝から起き上がって「笑いたければ笑え」と巴衛を見つめる。すると、巴衛は深いため息をついて、私の頬に手を添えた。
巴衛「別にいいではないか。俺はお前のものなのだから」
『そ……それは昔の話で……今は……』
巴衛「今も昔も変わらん。俺はお前のもので、お前は俺のものだ」
そう言って、巴衛は私のことを強く抱きしめてくれた。私は恐る恐る巴衛の背中に手を回し、巴衛の胸に顔を埋めた。
今だけは……今だけは、この背中に手を回しても……許されるわよね。
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スイレン(プロフ) - この作品とても好きです！完結と表示されていますが、今後続きは更新されないのでしょうか？続きが気になるので、更新されることを願ってます！！🙇♀️🙇♀️ (2023年4月19日 4時) (
レス) id: 7c8e82c849 (このIDを非表示/違反報告)
Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2022年12月16日 23時) (レス) @page28 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - この作品はもう簡潔になっていますが更新されないのでしょうか？凄い続きが気になります！ (2021年5月19日 1時) (レス) id: 795af027cd (このIDを非表示/違反報告)
ち - 今更ながら神はじハマりまして、数々の夢小説の中でもこの作品が一番好きです。もう何度も一からリピートして読んでます、それぐらい好きです。更新楽しみにしてます。頑張ってください (2020年8月27日 18時) (レス) id: 6ace1f6946 (このIDを非表示/違反報告)
さ - 面白いです！先が気になります！更新待ってます！ (2020年6月30日 3時) (レス) id: 1aa449fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2018年10月23日 10時
