紅い噛み痕をつけて【AtR】

bite29 ページ29

*



「わあ！めっちゃしっかり乾いてる！」



「でしょ、俺天才だから」




そう言った彼はまだ耳が生えたままだ





「なかなか…引っ込まないね」



「なに、引っ込んで欲しいの？」




「引っ込まないと、授業出れないから」



そう言うと、
どこまで真面目なんだか…と呟きながら




「A…すぐにでも引っ込んじゃう方法あるけど知りたい？？」



なんて聞いてきた




「そんなものがあるの？」




「うん、簡単だよ」







すると彼方は乾いた髪の毛をよけながら
後頭部に手を回して
こちらを見つめる









「…A…俺の首にキスマークつけれる？」









＊



「え？」




「どっちの首でもいいよ？」







彼は
"はい"なんて言いながら
制服のぼたんを１つ外した





「えっ、む、無理！！！キスマークって無理！」





「慌ててる…大丈夫だって…吸うだけだから」




授業受けたくないの？

なんて意地悪そうな顔をして
手を広げてくる






「意地悪だよ…選択肢が…」




「いいんだよ？？俺が満足するまで至る所噛んでも」






「やだ…………」






そんな恥ずかしいことされたら身が持たない







私は少しずつ彼方に近づくと
色っぽい彼を見ているだけで
自分も彼方みたいに噛みたくなっちゃうんじゃないかと思えてくる





「ねぇ…それ…俺の首にキスしてるだけだよ…」





「か、噛めない」




「吸うって言ってるじゃん」





「……痛そうだよ彼方が」






その瞬間
チュゥッと首元で音がして

ペロッと舌でなぞられたのを感じる



「俺の方が先につけちゃった…」



「〜っ…」




「痛くなかったでしょ？」






煽るように、
口角の上がった彼は私の唇も指でなぞった

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