紅い噛み痕をつけて【AtR】

bite27 ページ27

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「もうっ！！彼方さん達のせいで僕まで怒られたんですよ？？！！」






保健室でベッドの上に座る私たちに
真冬が頬を膨らませながらそんなことを言う





「元はと言えば、真冬のせいなんだけどな」




「え？？僕なんもしてませんよ…ってなんでAもそんな顔してるの！！？」






全然理解できてない彼は困った表情をする






「でも、もう真冬は大丈夫そうだね」


なんて耳の生えていた部分を撫でると


「あっ、そういえば変な気持ちになること、今日はない気がする」




と言われた。



ならよかった…安心





先生に、なんで飛び込んだんですかと聞かれて彼方は


"暑かったから"なんて返答してて
先生達は聞くことを諦めていた気がする



それでもとりあえず
授業中に廊下を走ったこと、プールに飛び込んだことは結構ガミガミ言われてしまった

悪いのは間違いなく、私たちだしね…






「彼方さんとA…僕は授業受けに行きますから…」




そろそろ2時間目が始まりそうな時間帯になり、真冬が保健室をそう言って出た








彼方は、何故か白いカッターシャツを着ていて、どこからそれを持ってきたのだろうか



私は彼方に体操服とジャージどちらも貸してもらった。




「…彼方、それ誰の服？」




「え、ああ、制服のことか…俺のだけど」





「さっきプール入ったのに！？」





そう言うと、私がわけがわかってない理由を納得したのか




「俺、体育のある日は制服もう1枚入れてるんだよ」





「天才じゃん…」






プールに落ちることになるなんて予想してないし、普通ありえないから
制服なんて持ってこないだろ………






「髪の毛、ぬれたまんまだと風邪ひくよ」




彼方が急に私の腕を引っ張って
さっきよりも近くにひっついてくる



「ちょ、暑いってば…」



「Aさぁ、安心しきってるでしょ」




「へっ？」





吐息が耳の裏にかかる





たしかに、真冬のことで安心はしてるけど





「Aは俺がアップルティー飲んだの忘れちゃったの？」

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