3.Kiside ページ3
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翌日20日、オーラス。
「「「お疲れ様でした〜!ありがとうございました〜!!」」」
公演後、裏ではそんな声が色んな所で飛び交い、メンバーは次々と楽屋へ入っていく。
みんな、一仕事終えた感じでなんだかホッとしてるけど、俺の戦いはこれからだ。
藤ヶ谷が帰るまでに焼肉に誘わなければ!
上手に上手に、何事もないようにスラっと誘うんだぞ、俺!
…って、頭の中で何度も何度も練習を重ねていたら、いつの間にか藤ヶ谷の姿がなくなっていた。
「っ!?に、二階堂!藤ヶ谷どこ行った…?」
「え〜?ガヤさんなら今、お疲れ〜って言って帰ってったけど…」
「えぇ!?うそ!」
急いで楽屋を飛び出して、遠くの方でまだ姿の見える藤ヶ谷を追いかけた。
「…っ、ふ、ふじがや〜!ま、待ってー!!」
俺の声に気付いた藤ヶ谷がこちらを振り返って、目をまん丸くさせてびっくりしている。
「…どうした……?」
「…あ、っえ、えーと……」
なんて、なかなか言い出せずにいたら、またすぐにいつもの藤ヶ谷に戻って、
「え?何?スタッフさん呼んでた?」
「…っ、いや、あの、そうじゃなくて……えっとー…」
「…???」
やばい、絶対どうしたんだこいつって思われてるよこりゃ。
藤ヶ谷の顔がハテナマークでいっぱいだ。
おい北山宏光!負けるな!男だろ!行け!!!
っス〜〜〜ハ〜〜〜…!
「俺、奢るからさ…一緒に焼肉行こうぜ!!!」
キスブサで”チャラい”だの”昭和臭い”だの散々言われてるけど、ここまできたら関係ねぇ!
俺は、最上級にチャラくて昭和臭くて、それに加えてとびっきりの笑顔を振りまいて藤ヶ谷を誘った。
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作者名:ま き ぽ よ | 作成日時:2015年9月26日 23時