8.Kiside ページ9
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どれくらい走っただろうか。
2人で走りながら、なんだこの組み合わせ、と言わんばかりに通り過ぎる人たちに不思議そうな顔をされた。
何人もの人にぶつかって、その度に謝って、それでも走り続ける藤ヶ谷の背中を見つめてた。
握られた手に力を込めると、離れんなよとでもいうように、更に強い力でギュッと握り返される。
よく考えれば、俺、なにやってんだろ。
どう考えても変だし、恥ずかしいし、今までの俺なら、いい加減にしろってとっくに言ってたはず。
でも何故か今は違う。
感情が理性に勝ってる。
………楽しい、なんて、おかしい。
「っふぅ〜疲れた!ゴール!」
急に止まったと思ったら、俺たちは学校の門の外まで来ていた。
さすが私立の進学校だけあって、道のりは長い。
「……っはぁ、疲れた…っ…。
急になんなんだよ、どうしたんだよ…」
「やっぱりさ…お前は俺に関わりたくないかもしれないけど、俺はお前と関わりたい。」
こいつは急に何を言ってるんだろうか。
「……え…おい、藤ヶ谷…大丈夫か?」
「太輔!」
「……は?」
「お前もいつかは『藤ヶ谷』になるのに変でしょ?
最初はたいぴーって呼んでなんて言ったけど、ひろ呼んでくれないからさ〜」
「っ、はあ…!?」
「あ、みつって呼んでたけど、みんな”みつ”って呼んでるから、やっぱり”ひろ”にする!
なんか俺だけ特別って感じするし!」
突然すぎる再婚に、母親と義父は海外に行っちゃうし、名字が変わるなんて自覚は持つ暇もなかった。
名義変更はまだしてないけど、それにしても…いきなり名前で呼ぶだなんて。
なんだか恥ずかしくて、下を向いて俯いていたら、気づいた時には藤ヶ谷の顔が急接近していた。
「っ…ぅ、わっ、!なんだよ!」
「…たいぴーと太輔の二択!どっち?」
「…ぜ、是非、太輔の方向でお願いします…?」
何故だろう、心臓がバクバクうるさい。
「ふふ、帰ろっか〜」
俺はゆっくりと頷き、2人一緒に家の方向に歩き出した。
なんで急に連れ出したりしたのかは分かんないけど、こいつの言う通り、もうすこし関わってもいいかな…もしかしたらそんな悪い奴じゃないのかも…そう思ってしまった。
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藤北ラブ(プロフ) - 小説読みました。続きが気になります。更新待ってます。 (2016年6月7日 10時) (レス) id: bc8d395f08 (このIDを非表示/違反報告)
ま き ぽ よ(プロフ) - 初めまして!コメントありがとうございます!キュンってして頂けるなんて嬉しいです〜(;_;)これからも更新頑張りますので応援よろしくお願いします!☆ (2015年8月29日 0時) (レス) id: b6c124bb79 (このIDを非表示/違反報告)
ryrh(プロフ) - 待ってました! いや、すいません。初めまして。興奮して初めてコメントさせていただきました。 キュンってしてやばいです。更新うを楽しみに待ってますが、無理せずマイペースで頑張ってください☆ (2015年8月28日 7時) (レス) id: 623662a882 (このIDを非表示/違反報告)
ま き ぽ よ(プロフ) - かばさん» 初めまして!コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいし励みになりますヽ(;▽;)ノ相変わらずノロノロ更新ですが、是非最後まで読んでいってください((o( ^_^ )o)) (2015年7月26日 3時) (レス) id: b6c124bb79 (このIDを非表示/違反報告)
かば(プロフ) - はじめまして(*^^*)brother楽しみに読ませていただいてます!良い展開になってきましたね〜藤北はやっぱキュンキュンします!!北山くんが自分の気持ちに気づくのを楽しみにしてます♪♪更新頑張って下さい(^o^)v (2015年7月23日 16時) (レス) id: a96195b9d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま き ぽ よ | 作成日時:2015年7月8日 1時