5.Kiside ページ6
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「太輔くんは家庭の味を知らないから、宏光がちゃんとご飯作ってあげるのよ?」
藤ヶ谷と藤ヶ谷の親父さんに会った日、2人に聞こえないよう母さんが俺に耳打ちをした。
しかも明日から、いつ帰ってくるかわからない新婚旅行に行くなんて夫婦揃って幸せそうな笑顔で言われて、俺は初日からとてつもない衝撃を受けた。
…母さんが幸せならいい。
自分自身に呪文のようにそう言い聞かせた。
そしていかにも金持ちが住むようなマンションの最高階に俺と藤ヶ谷は取り残されてしまった。
ただのクラスメート……いや、ただのクラスメートなのか…?
まあそんな奴と暮らすなんて、気まずさはマックスだけど、ここでの仕事は家事をするだけ。
ただ、それだけのこと。
俺はこれから住み込みでコイツの世話をする係になったんだ、そう思うことにした。
だから、ここでも学校でも必要以上に関わって欲しくない。
これは、この日に藤ヶ谷へと告げた言葉。
アイツは不思議がってたけど、こうでもしないと平和な高校生活にヒビが入ってしまう。
俺にとってはそれくらい重要なことだ。
「……で、夕飯何がいい?」
「ね、彼女いんの?」
母さんと藤ヶ谷の親父さんが出かけてしまったから、夕飯を作ろうと思ったのに、質問した内容に対して全く意味の分からないことを聞いてきた。
「…は?」
「だから〜!彼女!いんの?」
「お前に関係ねぇだろ」
「ほぉー、いないってことね〜」
「勝手に思ってろ」
このとき、俺は初めて告白された中2の冬を思い出した。
自分で言うのもなんだけど、モテない訳じゃない…たぶん。
チャラチャラせず勉強ばっかしてきた割に、「かわいい〜かっこいい〜」と言われることだって稀じゃない。
ただ、これまで誰かと付き合ったことはないし、好きという感情がなんだかイマイチ分からない。
「お前さ、もしかしてソッチ系?」
リビングに居たはずの藤ヶ谷がいつの間にかキッチンに来てて、俺の顔を覗き込んでいた。
「…は!?」
「興味ないの?こういうの」
そう言って見せられたのは、藤ヶ谷のスマホから映し出された、無修正の……ソウイウ動画だった。
ムカつくなんて話じゃない。
コイツの神経を疑いまくった。
そしてこの時俺は、こんな奴と仲良くするなんて絶対に無理だ、と強くそう思った。
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藤北ラブ(プロフ) - 小説読みました。続きが気になります。更新待ってます。 (2016年6月7日 10時) (レス) id: bc8d395f08 (このIDを非表示/違反報告)
ま き ぽ よ(プロフ) - 初めまして!コメントありがとうございます!キュンってして頂けるなんて嬉しいです〜(;_;)これからも更新頑張りますので応援よろしくお願いします!☆ (2015年8月29日 0時) (レス) id: b6c124bb79 (このIDを非表示/違反報告)
ryrh(プロフ) - 待ってました! いや、すいません。初めまして。興奮して初めてコメントさせていただきました。 キュンってしてやばいです。更新うを楽しみに待ってますが、無理せずマイペースで頑張ってください☆ (2015年8月28日 7時) (レス) id: 623662a882 (このIDを非表示/違反報告)
ま き ぽ よ(プロフ) - かばさん» 初めまして!コメントありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいし励みになりますヽ(;▽;)ノ相変わらずノロノロ更新ですが、是非最後まで読んでいってください((o( ^_^ )o)) (2015年7月26日 3時) (レス) id: b6c124bb79 (このIDを非表示/違反報告)
かば(プロフ) - はじめまして(*^^*)brother楽しみに読ませていただいてます!良い展開になってきましたね〜藤北はやっぱキュンキュンします!!北山くんが自分の気持ちに気づくのを楽しみにしてます♪♪更新頑張って下さい(^o^)v (2015年7月23日 16時) (レス) id: a96195b9d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ま き ぽ よ | 作成日時:2015年7月8日 1時