34.案外 ページ35
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ら「熱ないみたいじゃん?良かった良かった
な、どりみー」
み「……別に、」
「らっだぁさん…」
後ろから出てきたのはらっだぁさん。私の顔を見て笑いかけてくれて、なんだか安心してしまった。
ら「確かに任務中にあれ出ちゃったら大変だけど、どりみーのその言葉、要はAが心配なんでしょ?」
「……えっ?」
みどりさんの顔を慌てて見ると、明らかに視線は泳いでいて目も一切合わない。
心配…?さっきの言葉が…?
「心配って…」
訳が分からない、とらっだぁさんを見ると、面白そうにみどりさんを見続ける。
ら「こう見えて仲間意識強いかんね、俺らが所属してる組織は。
つーわけで、今回のことはあんま気にしなくていいよ
…てかAの体の状態。どうだったの?」
み「………熱は無いし呼吸状態も安定してた。呼吸数も問題なし」
みどりさんは赤い顔を長い袖で隠しながら淡々とそれを述べ、下を向く。
さっき体温しか測ってなかったけど……みどりさん、観察力がすごいみたいだ。
知らぬ間に測られていた呼吸数に驚きつつも、何も無いという言葉に安心する。
「あの、ありがとうございました。」
み「………別に…」
「さっき、凄く辛かったので…みどりさんの言葉で安心できました」
負けじとお礼を言うと、彼はちらりと私の顔を見てからこくりと頷く。
………意外と、優しいのかもしれない。
別に、という言葉も棘のある言い方じゃないし、照れて出てしまった言葉のように感じる。
少しだけほっとして、改めてらっだぁさんにもお礼を伝えた。
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…!とっても嬉しいです!これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします! (11月11日 11時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです!夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです!お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください! (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かめそん | 作成日時:2023年8月20日 13時