29.ダメだし ページ30
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ら「まず姿勢がだめ」
「えっ」
開始15分。未だに弾は撃てていない。
構えてみてと言われてみてやってみれば頭を抱えられる始末。…まさか自分、ここまで出来ていなかったなんて。
ら「そのままでいて、もう少し腕を高く……そう。」
肩に手を置かれながら姿勢を修正していく。
らっだぁさん、やる気がなさそうに見えたけれど、教えないとはまた違うみたいだ。
それに優しくてわかりやすい。素っ気ない感じはあるけど、別に怖くはなかった。
ら「＿＿＿で、……わかった？」
「あ、はい…」
ら「…ふ、そんな緊張しないでよ。君、おじょー様らしいじゃん？」
おどけたように笑うらっだぁさんに、思わず固まる。
初めて見せたその笑顔はなんだか幼くて、怖い雰囲気なんて一切なくて。
思わず困惑してしまった。
「あー…まぁ、"元"になりますけどね」
ら「自分で言うあたり、もう受け入れてんだ？」
「…多分そう、ですね」
ちらついたのはお父様の顔。思わず胸が苦しくなったけど、何も言えなかった。
こくりと頷くと、ふぅん、と小さく零すらっだぁさん。
ら「……父親のこと、確かにずっと育ててもらってきたから引きずるかもしれないけど、ぺいんとたちもAを守るために遠ざけたってことだから、あんま悪く思わんでね」
「…もちろんです。始めはなんでと思うこともありましたけど、今では感謝の気持ちでいっぱいなので」
らっだぁさんの言葉に、否定の言葉なんて出るはずがなかった。むしろ助けてもらったのだ、お礼の言葉をたくさん言わせて欲しい。
ならいいんだけど、と言いながら自分の拳銃を持ったらっだぁさんは、少し考え込んだ後私の顔を見た。
ら「ね、ちょっと見てて」
「え？…はい」
にやりと笑ったかと思えば、遠くの方で書類を眺めているクロノアさんの方へ駆け出し名前を呼んでいた。
………クロノアさん？
ら「はい。んじゃいつもの対決ね、クロノアさん」
ク「って言われてもなぁ…」
眉を下げながらも笑うクロノアさんは、私物のライフルを取り出して弾の補充を始めた。
……対決、って…クロノアさんと？
確かに2人は銃を使うけど…
ら「じゃあまず俺からっすね」
らっだぁさんは足元を見て、それからゆっくりと手と目線を上げていく。
「………あ」
勢いよく響いた銃声音は、なんだか私と違く感じた。
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…！とっても嬉しいです！これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (11月11日 11時) (
レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです！夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです！お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください！ (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2023年8月20日 13時
