25.武器 ページ26
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時間の関係で夕飯を食べたあと、テーブルに1対1で座る。
ほか3人は相変わらず戦闘ゲームをやって盛り上がっていた。
「じゃあこれから話してくけど、まぁそんなに難しい話じゃないから安心して」
「うん、わかった」
とりあえずと紙とペンを引っ張り出してきた彼は、さらさらとなにかを書き出した。
「………これは?」
「武器の説明。今は体術メインだけど、いつかは1つ、Aには持ってもらおうと思ってる」
一つ一つ説明をしてくれて、短剣、竹刀、銃…といっても色んな種類、あとは
「…拳、」
「ふふ、そう。でもさすがにそれはなしかな。トラゾーとかだったらまだいいんだけど」
「なるほど……」
自分の小さな手のひらを見てみるけど、やっぱり拳は難しいかな…
あの中だったら何が私に合ってるんだろう。まだ上手く身についてないけど…
「…Aは意外と銃とか、遠距離の方が合ってるかもね」
「え?銃…?」
ぽかん、と口を開けると、
クロノアさんは微笑みながら言葉を繋げた。
「トラゾーから聞いたんだ。冷静な判断、洞察力に優れてるって。
どの場合でもそれはすごく大切なことだけど、遠距離でここぞって時にそれが出来るとすれば、銃はAにとって良き相棒になるかもね」
「ここぞって時に………」
考えたこともなかった。
自分が銃を握って相手に打つ場面を。
できるんだろうか、そんなこと。
「……わからない。上手くやりたいけど、不安」
「………じゃあ一旦、銃の事について知ろう。まずはそこからだね」
顔を上げれば笑顔のクロノアさん。
さらさらとまた書き出したのは、より細かい銃の構造について。
更には撃ち方、姿勢、弾の補充方法………
あまりにも細すぎる情報に、私は思わずえ、と言葉が漏れてしまった。
………もしかして、
「……クロノアさんって、使ってる武器…」
「あ、気付いちゃった?実はライフル使ってるの。俺」
いぇい、とピース見せる彼は、どこかワクワクとしていた。
話を聞いてみれば、トラゾーさんは体術、ぺいんとさんはナイフ、しにがみさんは戦うというよりも救護班やハニートラップ、システム管理が多いらしく。
「同じ武器の人少ないからさ、結構嬉しいんだよね」
そう言って笑う彼の顔に、嘘なんかきっとなくて。
思わず私も同じように笑ってしまった。
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…!とっても嬉しいです!これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします! (11月11日 11時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです!夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです!お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください! (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かめそん | 作成日時:2023年8月20日 13時