15.ゲーム ページ16
・
「落ち着いた?」
「あ、…うん。色々とごめんなさい」
ようやく食べ終わり、ぼうっと椅子に座っていた時だった。
覗き込むように私の顔を見てきたクロノアさんは、はいこれ、と温かいココアを目の前に置く。
「謝ることじゃないよ。今日だけで色んなことがあったから、考えがまとまらないのも仕方ないし」
「…ありがとう」
「うん。………それよりどう?朝言った通り、案外このメンバーいい感じじゃない?」
このメンバー、と聞いてこの場にいる全員に目線を移す。
少し先のテレビで"ゲーム"とやらをやって騒いでいる3人をみてもう不安に思うことなんて思い浮かばなかった。
「そう、だね。…いいと思う」
「なら良かった」
安心しきったクロノアさんの声に傾けつつ入れてくれたココアに口をつけながらゲームをする彼らを見ていると、少し前の事を思い出した。
…そういえばトラゾーさん、あの時
『まずは仲間をつくり、あらゆる過程を踏んでからボスと戦いましょう。ゲームと一緒です』
だとか、言っていたような…
もしかしたら比喩かもしれない。でもなんだか、違うような気もして。
「ねぇ、トラゾーさん」
「はい?」
ゲームが一段落したところで声をかけると、彼はわざわざ手を止めてこちらまで来てくれた。
それを察したのか、ぺいんとさんもしにがみさんもこっちまで来てくれる。
「あ、そんな大した話じゃないんだけど…。
その、さっき"あらゆる過程を踏んでから戦う"…って言ってたけど、その過程、ってなにかなって」
ほか3人は何も知らないはず。
なのに私の言葉を聞いた瞬間、すぐに真剣な表情へと変わった。
それはトラゾーさんも同じで、
"これから何かが始まる"
そう思ってしまうほどだった。
・
77人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…!とっても嬉しいです!これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします! (11月11日 11時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです!夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです!お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください! (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かめそん | 作成日時:2023年8月20日 13時