12.決意 ページ13
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一向にお腹が空かない。
涙は全て出し切った。
喉がカラカラなのに、身体は重くて動く気にもならない。
「……しんだ、」
死んだ。私は、もう居ない。
お父様は、裏切った。
ただその、先程の事がぐるぐると頭の中を駆け回りそして心にズブリと刺し込む。
私はこれから、どうするべきなんだろうか。
戻る場所さえないのだ、こんなところ逃げ出したいとさえ思っていたのに。
逃げたところで、私の行先なんてどこにもない。
いっそ本当に死んだ方がましなんじゃ。亡くなった姿があればより信憑性は高まるはず。
なんだか暗いなぁと窓を見ると、もう外の景色は真っ暗だった。いつの間にか世界は夜になっていたらしい。特に拘束されたわけでもない身体は身軽どころか重すぎて、気付かなかった。
「………外、」
ここは今、どこなんだろう。
周りが見えないからかなり高いのか、
身体を引きずるように起き上がって、カーテンの隙間から見えていた外が全て見えるように、勢いよくカーテンを開けた。
辺りは真っ暗。
森なのか、木が鬱蒼としていて、まるで今の私と同じ気持ちみたいで、
思わず飛び込みたくなった。
もう、ひとりなのだ。
誰かに飼われていたような自分じゃない。
私を閉じ込めるような行為をしていたくせに、こういうところは浅はからしい。
鍵を開ければすぐに開く窓に、私は足を行儀悪く乗っけた。
でももうそんなの関係ない。
私を『お嬢様』だと叱る人達は、もう居ないのだから。
閉じ込められることも、私が自らその籠に入ることも、もうしない。
一人でも生きていける、
＿＿＿＿＿＿生きてみせる。
流れる涙の理由は知らない。
髪を煽るように吹き抜ける風。
あとはこのまま、飛び込むだけ＿＿＿＿＿＿＿
「…あ、起きてました？」
ふと聞こえた声に、なんで、と掠れた声が聞こえた。
と思えば、グン、と引っ張られる身体。
カーペットの敷かれた床にへたり込んで顔を上げると暗くてよく見えないけれど、月の明るさで緑色のコートがちらりと見えた。
部屋の鍵は閉めてたはず、なんて思いながらも動くのは目線だけ。
動かない身体、上手く言葉が出てこない。
ただ涙がはらはらと流れた。
彼は靴音を鳴らしながら私の近くまで来てそれからしゃがみ込んだ。
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» コメントだけでなくお気に入りにまで入れてくれてありがとうございます…！とっても嬉しいです！これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (11月11日 11時) (
レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - 鳥籠の中面白かったです！夢主ちゃんが可愛いし、恋愛表現が無い所がお話を読みやすくてよかったです！お気に入り作者様に追加させて頂きますね、がんばってください！ (11月10日 16時) (レス) @page43 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2023年8月20日 13時
