出来るの? ページ10
ぺいんとside
「いやー…久しぶりの会社…」
数年前に在宅勤務に変わったとはいえ、元々はほぼ毎日行っていたこの会社。
いつぶりだろうか……と懐かしさに浸りながらも焦る気持ちは残っていた。
今日はひっさしぶりにやる重要会議。自分たちの案を順に説明していく。
取り掛かるのに時間がかかったけど、あと何枚か作ってコピーすれば完璧だし、午後には終わるよな。
時間を逆算して今日のスケジュールを頭の中で組み立てる。
とりあえず足りてない資料を作ろうとデスクの前に座った。
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「おーい、そろそろ昼飯行くぞ」
「うぃーす」
同期に話しかけられ、俺は弁当を持って食堂へと向かう。
クロノアさんが作ってくれた弁当、久しぶりに食うな〜
今日のご飯はなんだろうと考えて、ふと気付く。
「…………そういや今日…A午前授業じゃ…」
朝はバタバタしていたし、1番に家を出たから確認しそびれた…
クロノアさんわかってるかな…
あの人たまにどデカい天然になるからめっちゃ怖いんだけど…
「……わりぃ、席取っといてもらえる?」
「え?お、おう……」
手に持っていたお弁当も彼に渡してロビーのところまで早歩きで向かう。
…3回目のコールで、気の抜けた声が耳元まで伝わった。
「…あ、クロノアさん。仕事中ごめん」
「ん?いいよ、大丈夫。
それよりどうかした?」
「あ、…Aのことで相談があって」
そこまで言うと、クスクスと笑い声が響いてくる。
なんだ?なんか俺変なこと言ったか…?
「えー…と?」
「っ、あははっ…!ごめんごめん、心配性だなぁと思ってさ。
午前授業のことでしょ?俺も朝気付いてさ……2時間くらいお留守番してもらってる。15時になったらしにがみくん帰ってくるはずだから」
「お留守番?!Aが…?!」
あいつに出来る?!そんなこと!
いや…失礼なのは分かってるけど、今までの出来事を思い返すと今もなにかをやらかしてそうでチビりそうになる。つまり怖い。
そんな情けない声を聞いたクロノアさんは、大丈夫っしょ〜となんとも楽観的な返事。
俺は不安な気持ちが拭えないまま、クロノアさんとの通話を切った。
……何ともなきゃいいけど…
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かめそん(プロフ) - カケラさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉ありがとうございます、、これからも更新頑張ります! (2023年1月10日 14時) (レス) @page40 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
カケラ - いつもほっこりするお話ありがとうございます!癒しです。読んでてすごく優しい気持ちになれました!もうこれは優しい大人になるしかない!()これからも扉の隙間から応援してます! (2023年1月10日 12時) (レス) @page40 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 憂夢さん» コメントありがとうございます!お話読んでくださって、嬉しいお言葉まで頂いて幸せです、、!ありがとうございます! (2023年1月9日 16時) (レス) @page12 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
憂夢 - 小説読ませていただいてます!かめそんさんの日常組の小説大好きです…!いつも素敵な小説をありがとうございます!!これからも応援してます! (2023年1月9日 13時) (レス) @page38 id: e4847ea383 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - かにかまさん» 新年初のコメント拝見でとても幸せな気持ちになりました、、、!ありがとうございます。これからも更新頑張りますので読んでくださると嬉しいです! (2023年1月1日 2時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かめそん | 作成日時:2022年12月2日 20時