お留守番…? ページ9
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「ただいまっー!………あ、居ないんだった…」
シン…としずまるリビングにひびく私の声。
なんだか不安になってそーっと靴をぬいでしまう。
とりあえず手洗ってー…っと。
少し身長ものびて、台なんか使わなくなっていた洗面台にむかう。
「おっひるごはーんは、っと…
おぉ〜おいしそうなうどん〜」
いつもは付けないテレビを見つつ、うどんをちゅるちゅると食べる。
今は針が1をむいているから…13時。
お昼を食べ終わったら探検ごっこでもしようかな、と決めて食器をかたした。
「…まずは怖い怖いぺいんとの部屋に向かうぞーっ!」
大好きなくまさんといっしょに立ち向かえばなにもこわくない。
そーっととびらをあけて、まっくらな部屋を覗き込んだ。
正直初めて入るからどんな感じなんだろうと思ったけど、意外とものはすくなかった。
「ほほー……ぺいんとのベッドはちょっと固い……」
すわって感触をたしかめて、その次に机の上をみる。
パソコンが2台置いてあって、その上には紙が5枚。
…………紙…?
ぺら、とめくれば、今日の日付が記されていて、ふせんとやらには〈重要〉とひとことかいてあった。
………おも…よう…?漢字ってむずかしい。
でも赤色のペンでかいてるから、大事そう。
先生が赤色でかいてあるのは大切、って言ってたし。
そんなことをぼんやりとかんがえて、朝のことを思いだしていた。
『ぺいんとのかいぎ…?ってやつはいつやるの?』
『終わってないのがあるから朝やるって言ってたし…午後じゃないかなぁ…しにがみくんが戻ってくるくらいかな〜…』
しにがみが…戻ってくるとき…
ぺいんとの部屋においてある時計は、まだ15分もたっていない。
しにがみがかえってくるのは15時頃。
ぺいんとのしごとの場所は、何かあった時がこわいからって前に教えてもらっていた。
急いでリビングにもどってランドセルの小さなポケットを開ける。
「………あった、
夢野市めゆが町……ここから近い駅は、夢花駅……」
ここまで分かればあとはこの5枚の紙と、お金と、防犯携帯……あとはティッシュとハンカチと………
お気に入りのかばんにそれらを詰め込んで、あとは置き手紙。
急いで書いて、私は玄関まで走った。
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かめそん(プロフ) - カケラさん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉ありがとうございます、、これからも更新頑張ります! (2023年1月10日 14時) (レス) @page40 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
カケラ - いつもほっこりするお話ありがとうございます!癒しです。読んでてすごく優しい気持ちになれました!もうこれは優しい大人になるしかない!()これからも扉の隙間から応援してます! (2023年1月10日 12時) (レス) @page40 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 憂夢さん» コメントありがとうございます!お話読んでくださって、嬉しいお言葉まで頂いて幸せです、、!ありがとうございます! (2023年1月9日 16時) (レス) @page12 id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
憂夢 - 小説読ませていただいてます!かめそんさんの日常組の小説大好きです…!いつも素敵な小説をありがとうございます!!これからも応援してます! (2023年1月9日 13時) (レス) @page38 id: e4847ea383 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - かにかまさん» 新年初のコメント拝見でとても幸せな気持ちになりました、、、!ありがとうございます。これからも更新頑張りますので読んでくださると嬉しいです! (2023年1月1日 2時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かめそん | 作成日時:2022年12月2日 20時