正しい道は ページ13
家に着いてから
お父さんは、一言も発さず塞ぎ込んでいる
余程ショックだったのだろう
「……」
奥様たちとのことをお父さんに言わなかったのは
心配をかけないためだけでなく
お父さんが事実を知ったら、ジョンインさんと一緒にいられなくなるんじゃないかって怖かったから
「ごめんね、お父さん」
『どうしてAが謝るんだ』
「だって…」
『Aは何も悪くない。
…父さんが悪かったんだ。お前の幸せのためと言いながら、何が起きているのかも知らずに…』
「それは、私が言わなかったから」
『いや。違う。言えるわけない、そんなこと』
「……」
『結局は 父さんの自己満足にAを……Aとジョンインくんを巻き込んでしまったんだ。
これじゃ父親失格じゃないか』
「っ、」
『ごめんな、A』
「お父さん…」
『ごめん
本当に、ごめん』
「……泣かないで」
何が正解なのか
どうすれば良いのか
今は
泣き崩れるお父さんの背中を摩ることしか出来ない
.
.
.
あれからしばらくして
来客を知らせるチャイムが鳴った
「…誰だろう」
『待て。
Aはここにいなさい
父さんが見て来るから』
真っ赤な目をしてそう言ったお父さん
その背中を見つめながら
もしかして
彼が来たのではないか、と思った
『どちら様ですか』
「キム・ジョンインです」
『…
ジョンインくん』
「母から話は伺いました」
『……』
「顔を見て謝罪したいので
ドアを開けて頂けないでしょうか」
ジョンインさんの声が微かに聞こえる
それだけで、涙が溢れそうになった
『…ジョンインくん』
「はい」
『すまない』
「え…」
『もう
君に会うことは出来ない』
「ちょっ…お父さん！何言ってるの」
『お前は向こうに行ってなさい』
「A…？」
「ジョンインさん、ごめんなさい。今開けます」
『ダメだ』
「なんで、
せっかく来てくれたのに追い返すなんて」
『ダメなんだ！！』
「っ…」
ドアに手を伸ばす私を
力尽くで遠避ける
『今、ジョンインくんの顔を見たら
お前をまたあの家に帰してしまうかもしれない』
「……」
『すまないジョンインくん。帰ってくれ』
お父さんの気持ちはわかる
私を思っての判断だって、わかってるけど
でも
こんなに近くにいるのに
顔を見ることすら出来ないなんて
「ジョンインさん…」
「泣かないで、A」
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そら(プロフ) - とても面白くて一気読みしちゃいました！！また読みにきます！ (2022年4月1日 23時) (
レス) @page28 id: ba25a8467e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - わーいジョイナ^_^ (2020年3月30日 22時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何回も何回も読み返しているので続編の更新本当に嬉しいです。毎日イヤなニュースばかりですが楽しみがまた出来ました。ありがとうございます。 (2020年3月30日 22時) (レス) id: 5075b515c0 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ(プロフ) - 以前から少し拝見させて頂いてましたが、時間が空いてしまったので初めから一気に読み直しました！ 何度読んでもニヤニヤして、胸が痛くなってとても感情移入して読んでいました！楽しかったです、ありがとうございました！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 448e876d4c (このIDを非表示/違反報告)
sumi(プロフ) - はじめまして^^* 始めからがーっと！一気に読みました！泣いた泣いた(；A；)面白かったです！レモンさん感動ありがとうございましたー！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: 8b7afa5c98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年8月17日 12時
