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川上「分かったらさっさと彼らから離れたら?貴女にはもっとお似合いの人がいるんじゃないかしら?」
川上さんはニッコリと笑ってはいるけれど目が笑っていなかった
これはあからさまに敵意を向けられていると分かったら
(おついちさん達と…離れる?)
優しく私を呼ぶ声や楽しそうにゲームをやる姿
いつも私が作るご飯を美味しいって言ってくれる
何よりも
おついちさんの側を離れるなんて
そんなの
A「………です」
川上「えっ?」
私は俯いていた顔を上げて川上さんを真っ直ぐ見つめて口を開く
A「絶対に嫌です！」
私の声に川上さんは驚いた表情で私を見てきた
感情的になって大きな声を出して恥ずかしいとかそんなの今は気にしてられない
だって
誰に何と言われようとこれだけは譲れないから
A「…確かに私には彼らの側に居られる資格はないかもしれません
知識もない私は皆さんの足手まといにしかならないかもしれないです
今はまだ教えてもらいながらですが…っ…いつか皆さんの負担が減るように…私なりに頑張っていきたいんです…！」
私は彼女を見ながらでもいつの間にか涙が零れていた
急に大きい声で言った私に川上さんは最初は唖然としていたけれど私が話し終えると、また睨む
でも私の後ろから聞こえた声にキツかった目がどこか怯えた瞳に変わった
「なーにーうちのお姫さん泣かしてくれてんの?」
その声と同時に私の身体をフワリと優しい温もりが包んだ
振り向かなくても分かる
だって大好きな彼だから
川上「あっ……おついちさん…」
川上さんは私を抱き締めているおついちさんを見て目を変えた
やっぱり彼女もおついちさんを諦められないのだ
おついち「まったく、仕事が一段落ついたから休憩がてら下りて来たら声が聞こえたから何事かと思って心配したんだよ?」
おついちさんは彼女のことを一瞬見たけれど直ぐに逸らして優しい眼差しで私を見つめながら頬を撫でてくれた
私はその声と温もりに強張っていた身体の力がスッと抜けていくのが分かった
やっぱりおついちさんは私にとってかけがえのない人なのだ
私はたまらずおついちさんに抱きついた
おついちさんは突然の私の行動に少しよろめいたけれど直ぐに受け止めてくれた
頭を優しく撫でてくれる
この安心感は彼にしか出せないものだ
どんなことでも手放すなんてしたくない
こんな貪欲な私を
どうか嫌いにならないで……
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作者名：時音 | 作成日時：2023年8月27日 14時
