わたし、メリーさん。いま、三色トリオと接触しているの……。 ページ9
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……「メリーさん」と言っていたし、あの都市伝説の「メリーさん」なのだとしたら、あながち間違いでも無いのか。
「さっきも言ったけど、わたしはメリーさん、なの……。言わずと知れた都市伝説なの……。」
都市伝説……。ふと女の子の姿に違和感を感じた。この女の子には、何かが足りない。足りていない。女の子の足元に目を向けると、その正体がやっと理解出来た。
その女の子の足元には、他の人の足元には必ず出来るもの……つまり
こんな田舎では街灯もほぼ無いけれど、月明かりはぼんやりと僕らの影を作り出している。しかし女の子の足元にだけ、影が無い。
これが、「都市伝説」……。
混乱中の僕たち三人の様子を見かねて、父さんが声をかけてきた。
「……あー。その、なんて言うか……。メリーさんには、色々と相談に乗ってもらってたんだ。」
相談……？まさか。
「……お前にはまだ言えてなかったんだが。その、何となく気付いてたと思う。お前の母さんは……。」
「不倫してたんでしょ。」
父親の言葉を遮り、そう言った。少し驚いたような顔をする父さん。
「ごめんな。」
突然謝る父に驚き、目を見開いた。
「何で、父さんが謝るの……？」
悪いのは父さんでは無いと思う。母さんが悪い……とも、思いたくは無いけれど。
「母さんが離婚したって言ったら、ヒロが傷つくと思って、ずっと言えなかった。」
父さんが、そこまで僕のことを考えてくれているとは思わなかった。
「……。」
でも、何で何も言ってくれなかったんだろう。僕はもう、高校生だ。昔より大きくなったし、あと数年で大人になる。
「言わねー方が傷付くだろ。」
唐突に口を挟んだのは、あっきーだった。
「親父はヒロの事心配してたんだろうけどさ、こいつはもうガキじゃねぇんだよ。高校生を子供扱いすんな。親父が思ってるより大人だから。」
「……。」
「……。」
父さんも僕も、何も言えなかった。
あっきーは、確かに不良だ。制服は着崩してるし、一度だけ、教師と大喧嘩して取っ組み合いになった事がある。
その時はあっきーが悪いとされて、危うく退学になりかけた。
でも実際には、教師と喧嘩したのはその教師が女子生徒に対して暴力を振るおうとしていたからで、あっきーはその女の子を庇おうとしていたのだ。
あっきーのような生き方は、すごくかっこいいと思う。
わたし、メリーさん。「家族」って良いものなのね……。→←わたし、メリーさん。いま、あなたの息子を見つけたところなの……。
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AYA - 初めまして。私も怖い都市伝説の中ではメリーさんが一番好きです。このメリーさん、優しくてほっこりしてきゅんしますね。話もとても面白いです。無理がない範囲で更新頑張って下さい。応援してます。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d783a40920 (このIDを非表示/違反報告)
麦カケ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。メリーさんは怖いイメージですがこちらの作品のメリーさんは優しくてほっこりしました。お話とても面白いです！作者様のペース、無理がない範囲で更新等頑張ってください！ (2021年2月2日 22時) (レス) id: ea0439ca7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍沢 | 作成日時：2020年12月30日 18時
