【ヒロアカ】灼爛殲鬼の器 (ページ13)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:6,977 hit

十二鬼ページ13

隊員
「まじか… ファントムを跡形もなく」

隊員
「総隊長…流石だな」

ファントムの事後処理をしているスターズ。隊員達は琴里の放った火炎の跡をみて唖然としていた

当の本人である琴里は疲れたと言って後を任せて帰って行った

＊

次の日、ファントムの事件は朝からニュースになっていた。ニュースキャスターは「物騒」だと話していた
学校でもファントムについて騒いでいた。商店街という近場に現れたこともそうだが、未だに正体が掴めていない存在であるためでもあった

万由里
「琴里ー、今日もどっか寄ってかない？」

琴里
「…ごめん。今日は用事あるから」

万由里
「しゃーないか…じゃあ明日ねー」

放課後、わざわざ琴里の学校まできた万由里の誘いを断り琴里はある場所へ向かった

＊

琴里
「…最近は色々あったからなぁ」

琴里の前にあるのは病院。この病院には8年前から焦凍の母である冷が入院している
琴里は定期的に冷に会いに行っては誰にも相談できないことを気軽に話せるのは冷だけだった

琴里
「…失礼します」

冷
「あら…琴里ちゃん。久しぶりね」

琴里
「予定が合わなくて中々来れませんでした…」

最近顔を見せなかったことを謝罪して椅子に座り冷と向き合う

冷
「…琴里ちゃん、悩んでる顔をしてるね」

琴里
「分かっちゃいます…か？実は____」

琴里はまず最初にスターズの総隊長に就任したことを話した。冷に相談する前に報告したいことでもあった

冷
「そう…琴里ちゃんも大変ね」

琴里
「それで…相談なんですけど、焦凍とのことで」

冷
「何？焦凍に何か言われたの？」

琴里
「いや…そうじゃなくて」

琴里は1度深呼吸をして冷に悩みを打ち明けた

琴里
「あの…焦凍を避けてから8年くらい経って、私も中学生になりました。そろそろ自分の言いたいことをぶつけようと思います……けど自信がなくて」

冷
「それは焦凍のことを気にかけての事でしょ？琴里ちゃんが優しい証拠よ。家に来てそうそうギクシャクした関係にしちゃったのは私だけど…琴里ちゃんと焦凍には仲良しでいて欲しいわ」

琴里
「冷さん…」

すると琴里は立ち上がり冷に一礼した

琴里
「ありがとうございました、1度話してみます」

冷
「うん。揉めたりしたらまたおいで」

冷の優しさに笑みを浮かべる琴里。病室を出る間際に冷は声をかける

冷
「総隊長なんて大変だろうけど……危ないことはあんまりしないでね」

琴里
「…はい」