6,ハート ページ7
炭「っ…え、Aも、来てたんだな…!
奇遇奇遇…ハハ……」
何故ここにいるのか、考えれば分かる話だ。
禰豆子とA達でカラオケに行っていたのだ。
「禰豆子達と来たの。竈門は誰と?」
炭「伊之助と善逸と…」
「そっか。あ、アイス食べる?」
笑顔で譲られ、軽く礼を言って機械から棒状に流れるアイスをカップに入れる。
…というか、このまま彼女が部屋に戻ると善逸がAの歌声を独占するということか?
しかも耳のいい善逸はきっとマイク越しだからきっと吐息まで聞けるぞ?
それって大丈夫なのか?俺が。
そんなことを考えていたら、アイスが不格好になっていた。
炭「あ、あれ?可笑しいな」
「うわ、竈門、手が!」
炭「うわわ…!」
手にアイスがベトベト着く。
呆然としていた俺のせいでもあるが、
機械はガタガタと痙攣している。
故障していたのか。なんだ。
「機械が不安定なんだね。貸して、やったげる」
Aが手を伸ばす。
ドキッとしながら新しいカップを渡し、
彼女がスイッチを押す。
「あ、……あれ?あれ?」
矢張り機械はガタガタと痙攣して、
アイスが不格好になってゆく。
炭「落ち着け!A!」
「ちょっと待って思いついた大丈夫」
Aは振動で震える手を器用に動かしていた。
「この形を上手く利用して…!」
そして作り終わったアイスを、俺に自慢する。
「はい、ハート!ふふ、嘴平に謝っといて」
そこには、崩れたアイスを隠すように、
可愛らしいハート型が大きくあった。
炭「っはは」
相変わらず、可愛い。
彼女の可愛い笑顔と行動に、思わず笑ってしまう。
無邪気な笑顔がまた、俺の胸を締め付けて。
炭「……じゃあまた!
あ、よかったら善逸を引き剥がして置いてくれ」
そうAに言うと、Aは「承知!」と返事をして14号室に帰って行った。
炭「………………」
善「何で俺を引き剥がしたのいい所だったのに!!!」
部屋に戻ると、善逸が帰ってきていた。
炭「ん?どんな"いい所"だったんだ?」
そう言うと、善逸は突然怯んだ。
善「ナンデモナイデス」
伊「お!持ってきたか!」
伊之助は俺の持っていたアイスに食いつく。
善「うわ何コレ不器用!」
炭「失礼な、機械が不安定だったんだ」
伊「味は変わんねえだろ」
俺は
じっと眺める。
伊「お前の奴、ハートに見えるな」
炭「うん」
ごめん、伊之助。
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作者名:勉強したくない | 作成日時:2019年9月20日 21時