陽だまりの様なイカ様 (ページ4)

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カタクリside

魚人島からお菓子の徴収のついでに寄ったシャボンディ諸島を特に行先もなく散策していると、本屋へ出かけていた筈のモンドールからの電伝虫が鳴る。

「こちらカタクリ、どうした」

「こちらモンドール！カタクリの兄貴、すまねぇがすぐ使える金はいくらある！？」

「金？……確か2億ほどだった筈だが」

「よし！詳しい話は落ち合ってから話すぜ
今すぐヒューマンショップへ急いでくれ！」

一方的に切れた電伝虫に小さく眉をひそめたが、モンドールが無駄なものを欲しがるとも思えねぇ。

「まぁ行って見れば分かることか」

存外近い場所を歩いていたおかげで待たせずに済みそうだ。

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モンドールに腕を引かれるまま入ったヒューマンショップは相変わらず気分の悪い場所だった。

モ「人攫いたちの話を聞いて、もしかするとママが大喜びするもんが出てくるかもしれねぇんだ」

カ「ママが大喜び？
…菓子でも生み出す能力者でも捕まえたのか」

モ「いやそれはそれで喜びそうだが違ぇ！
俺も半信半疑だが、そいつらの言ってた特徴はある悪魔の実の能力者がもつもんなんだよ！
しかもその実は幻と呼ばれるほどの希少！」

幻の悪魔の実とやらに興奮気味のモンドールの隣に腰かけると会場が暗くなり、やがて大きな水槽に小魚と一緒に沈められた女が運ばれてきた。

「こちらの女は水の中でも息をする事が可能な上、なんと魚と話すことが出来る代物！
魚人と疑われる方も多いでしょうが、こちらは生粋の人間でございます！」

眠っていた女は会場のざわめきか、それとも本当に魚に起こされてかゆっくり目を開く。

モ「司会のセリフにあの瞳孔、ビンゴだ！
兄貴ありゃ幻のイカイカの実を食った人間だ！」

驚き大きく見開かれた瞳の瞳孔はバツ印の様に変わっている。
周りの人間と同じように女を競り落とそうと奮闘するモンドールの横で未来を読む。

カ「…残念ながらこの競りは無効になる」

モ「は？そりゃどう言う」

訝しげにこちらを見るモンドールに顎で女を指しておく。
生きていたなら連れ帰るのも良いだろう。