陽だまりの様なイカ様 (ページ8)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:1,107 hit

2 ページ8

ドキドキ嫌な高鳴りをする胸の前で手を握りつつ、私の処遇に悩む女性を見つめる。

リ「男なら戦闘員にでもして傘下に加えようと思っていたが、どうしたもんかねぇ。
観賞用にするには惜しい能力だし」

ペ「女の構成員と言うのも使い道があるんじゃないかい？ペロリン♪」

オ「なんにしても鍛えなくちゃこんな弱い娘1人じゃすぐ殺されてしまうぞ」

三者三様に私の様子を伺っているようだけれど、私に拒否権は無いのだろうか。
……海賊が人権を尊重するとは思えないけど。

『あの、私は戦いたくなんてありません。
ただ平和に暮らしたいだけなんです、なので貴女方のお役には立てません』

リ「そんな戯言をおれが聞き入れると思ってるのかい？まさか、助けられたと勘違いしてるわけじゃないだろうねぇ」

『勿論その様な誤解はしていません。
だけど、私は故郷を滅ぼした海賊も暴力も嫌いなので』

真っ直ぐ目を見てビッグマム様に言い切ると、周りにいた人たちは驚いたように目を丸くした。
何故？今までだってすんなり略奪してきた訳でもないだろうに。

リ「ハーハハマママ！！随分威勢がいいじゃないか！
おいモンドール！檻からだしな」

モ「なっ、まさか殺すつもりかママ！？次にこの実が現れるのはもしかしたら1万年後かもしれないんだぞ！？」

リ「いいから出しな、その威勢がいつまで続くのか見ものじゃないか！なぁA？」

『何度問われようとも、私は戦いません』

私の態度に苦虫を噛み潰したような顔のピエロさんは、ビッグマム様の言いつけ通り私を檻から出した。
その瞬間時間が進むかのように私の体は元の大きさに戻って、周りを囲む人間が巨人のように大きく見える。