【ジョジョ】国際電話の向こう側【花京院典明】 (ページ2)

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1call 天命ページ2

小学生のとき、引っ込み思案で喋ることも少なく、暗かったわたしはいじめの格好の的になった。みんな子どもだったし、誰が悪いとかは、ないと思う。

そんなとき、君はわたしを助けてくれた。

本当に嬉しかったよ、だって花京院くんわたしを守ってくれたんだもん。

「よさないか君たち！この子は何もしてないだろう」

なんて、カッコよくわたしを守ってくれた。

「ありがとう、えっと……」

名前が分からず服に付いている名札を見上げると、「花京院典明」と綺麗な字で書かれていた。

「花京院テンメイくん……？」
「ノリアキだよ」
「あ、ごめん、花京院くん…」

赤い髪が、優しく揺らめく。紫色の瞳は、わたしを見つめる。

初めて同じクラスになる男の子だった。内気なわたしは他人と関わる事なく、学校生活を迎えていたからか、必然と名前を覚えることがない。

「君はえっと、雨宮Aさんだよね」

話した事もなく、ずっと俯いていて他人の顔など見ないわたしの、いじめられっ子で暗いわたしの名前を覚えてる人がいることに素直に感銘を受けてしまう。

「う、うん。さっきは本当にありがとう」
「そんな、ぼくは最低やつさ……他人だからと見知らぬふりをしようとしたんだ」

素直にそう告げた花京院くんは、わたしと目を逸らすことなく最後まで言い切る。

「でも、君の瞳がそうさせなかった。ぼくには無視なんて出来なかったんだ」

紫色の瞳が、陽日の中伏せられる。

これが、わたしたちの出会いだった。