大切な人。2

原因。 ページ41

優子side

AKBの楽屋を出たらすぐさまNMBの楽屋へ。

NMBのみんなは私がまた来てびっくりしてるみたいだけど、今はハイテンションで仲良くなろうとする余裕はない。


優子「A、来て。」

Aはなにも言わずに私の後に続いた。




人通りの少ない廊下の端っこ。

そこに座り込んだ。


優子「なんで相談しなかったの。」

決してAを責めたりはしない。
あくまで冷静に、優しい口調で。

A「………ぅん…」


優子「さや姉から聞いたよ。Aはどんな気持ちだったの？」


A「…なんか…

私だって頑張ってたのに……さや姉ばっか。……必死に頑張ってるとこ見たことないのに。

頑張っても才能には負けて。

同じだけ頑張って、私も踊れるようになってもお手本は天才のさや姉だけ。


頑張っても頑張っても私はさや姉には勝てない。頑張ってないさや姉に頑張ってる私は勝てないんだよ？


なんか……イライラしちゃって。


練習、あんまりやんなくなっちゃった…。」


優子「そっか…。」

Aが頑張ってるのはよく分かった。

けど、さや姉が頑張ってないっていうのはすっごい引っかかった。

どんなに才能があったって、センターに立てる人は少なからず相当な努力をしている。


優子「A？

Aが練習頑張ってたのは分かった。

けどね？さや姉は本当に才能だけであのポジションに立ってると思う？

センターに立つ人は少なからず努力をしてるの。

頑張ってるのはAだけじゃないんだよ？」


A「それは分かってる。けど、同じだけ頑張っても追いつけないのは悔しい。」

優子「それはさや姉の才能に対する嫉妬。追いつきたかったらさや姉以上に頑張るんだよ。さや姉に教えてもらうとか。

あんな仲良かったんだから、ね。


今回は、さや姉は訳も分からず避けられてて相当なショックを受けてる。

謝るべきはAだよね？

ライバルだけど仲間なんだから。」



かすかに頷いたAを見て少し安心した。

この2人が仲直りするのもあと少しだ。


さや姉から聞いたときはびっくりしたけど、元通りになりそうで安心した。



さてと、帰る準備するか！

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