大切な人。2

異空間。 ページ38

さやかside

無事お披露目が終わった。
そして、コンサートも終わった。

雨の中でも先輩方のパフォーマンスは流石っていうべきで。
見習わんとって改めて思った。



けど…なにかおかしい。


だって…Aが落ち込んでるんやもん。

いつもツンケンしてるAが楽屋の隅で体育座りしてるんやもん。


話さんくてもこれくらい分かる。



ただ、残念なことに、落ち込んでるAの対応を私は知らない。

ましてや話すことを拒否られてる私。


なんて声かけたらいいんか分からん。



Aから少し離れたところで1人で振り確認してるだけ。


他の子はおしゃべりしてたり携帯見てたり。


誰もこっちのことは構わない。


でも、これでいいのかもしれない。

喧嘩してる私らに近づくのは嫌やろうし。

私らのとこはどう考えても異空間。




そんな時だった。


ｺﾝｺﾝ
「「はーい」」

優子「お疲れ様でしたー！」

「「「「「お疲れ様です！！」」」」」


優子さんやった。



少しキョロキョロして私らを見つけると、一直線にこっちに向かってくる。


用はAにあるんやろうなって思って私は会釈をした。

優子さんも私を通り過ぎ………




なかった。

私の前に立ち止まると

優子「さや姉、ちょっといい？」
さやか「はい。」


私は優子さんの後ろをついて楽屋を出た。

複雑。→←焦り。

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