カクテルのような恋を 【歌い手】2

甘くて苦い51 ページ11

電話口の向こうでは


まふまふさんが息を切らしていた


「まふまふさん、あの」



『ほんと、に..ロサンゼルス、行っちゃうの？』


私の言葉を遮り



まふまふさんは私に問いかけた



「..はい」




『なんで、もっと、早く言ってくれなかったの？』




はあ、と息を整えまふまふさんは話す



「..なんて言えばいいのか


なんて思うのか


そんな事ばかり考えてたら、いつの間にか..」



『っ、ばか！

待ってるに決まってるでしょ！

僕は！

Aさんのこと大好きで！大切！失いたくない！


出来ることならロサンゼルスなんかに行かせたくない！』




「まふまふさ、


ごめん、なさい..」



ぼろぼろと涙があふれる



まふまふさんの想いが一言一句に乗せられ伝わってくる



心配することなんて、なかった




「まふまふさん」



『..なに？』









「名前、よんでください」









「がんばれ、って応援してください」






























『..A！


頑張れ！！




負けないで！



待ってるからね！A！！』









「はい！」

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