56話 鬼現る ページ10
「ここか」
「みたいですねー」
町からそう遠くもないところにあった祠。これなら遊んでいる子ども達が操られてここに来てしまうのも分かる。
「でも本当に鬼なんですか？」
「それを確かめるのが俺達の任務だ」
「斬るのではなく？」
「……鬼が現れたら斬ればいい。そうじゃないなら放っておく」
「そうですか」
冨岡さんの顔は冗談を言っているように見えなかった。
多分、ここに鬼がいることが分かっているからだろう。
“鬼以外ありえない”―――そう思ってる気がする。
「…気配が強くなってきたな」
「何も感じねぇ……」
「どこから出るか分からない。油断するな」
「……はーい」
刀を構え、戦闘態勢を整える冨岡さん。
私も目をつむり、深呼吸しながら辺りの様子を確認する。
祠から風が吹き込んでる？
まるで吸い込まれるような感覚―――。
「冨岡さん、下がって！」
「っ！？」
ブワッと勢いよく風が吹き込む前に、私と冨岡さんは一歩後ずさった。それと同時に、グニャァと祠が形を変え、何かが現れた。
「……へぇ、あんたら鬼狩りか」
「これが……鬼…？」
「っ油断するな、来るぞ！」
私が森で見た鬼と違い、幽霊と間違えそうなくらい半透明で、グニャグニャと体が揺れていた。何だろう、陽炎でも見ているみたいだ。
その姿に私は気を取られていたけれど、鬼の攻撃が始まったらしく、冨岡さんが刀で鬼の攻撃を受けていた。
「…実体に触れられるのか」
「…君、なかなか冷静だねぇ」
「戦う前に敵の実態を知るのは常識だよ」
冨岡さんが鬼の攻撃を受けている中、私はその鬼の特徴を見ていた。応戦しないのは、しなくても強いことがよく分かるから。
「…しかしまあ…二百年余り生きてるけど、ここの祠が鬼だって気づいたのはあんたらが初めてだな」
「二百年も……人々を騙してたわけ？」
「騙していた？ あいつらが勝手に“呪い”だの、“神隠し”だの騒いでいただけだろう」
人々の恐怖を笑って馬鹿にしている鬼。
そんな鬼を見て、私は身体全体から煮えたぎるような熱さを感じた。
“祠”の意味を知っていて言ってるのか、この鬼は。
神様を大切にしようとしていた町の人達を騙し、自分の餌として喰ってきたの？
―――怒りと比例して、私の能力は発動していた。
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！ 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです！ もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね！ (2020年3月13日 0時) (
レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです！もう派手派手です((←更新頑張ってください！ (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！ 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください！！ 時間はかかりますが頑張ります！ (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます！ そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω｀*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(｀・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆りんご☆ | 作成日時：2020年2月25日 15時
