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92話 繰り返す悲劇 ページ46

烏丸が教えてくれた場所―――産屋敷邸近くの町。

そこにはたくさんの人が溢れ、活気づいていた。しのぶさんと一緒に出掛けたことも何度かある。そんな人通りが多く、商店が立ち並ぶ場所に……“焔ビト”が出現したらどうなるか。

通常の鬼であれば、鬼殺隊のメンバーだけでも倒せるだろう。けれど状況が違いすぎる。


猛スピードで目的地へと進む私の目に飛び込んできたものは――――。



ゴウゴウと燃え盛る炎と逃げ戸惑う人々。

つんざく悲鳴、バキバキッと倒れていく家屋。

上空からも見える真っ黒な煙に真っ赤な炎。

風と共に吹かれる灰、焦げ臭さ。



―――それがもう手遅れだと物語っていた。



分かっていたのに。
こうなることくらい予想できたはずなのに。

近くの地面に着地すると同時に、私の足は崩れ落ちた―――この光景が、“あの時”と全く同じだったから。口から乾いた笑いと頬に伝う生温かな雫。それは私の今の心境をよく表していた。



「は、ははっ……なん、だよ……これ……」

「カァァァァ! A到着、到着ゥゥゥゥ!!」

「到着…? 今さら何をしろって……?」



することなんか決まってる。鬼を倒すんでしょ。鬼殺隊の一員として呼ばれたんだから。

でもさ……そうじゃないんだよ。私が、ここに向かったのはそのためじゃない。



「動けよ……何、立ち止まってんだよっ!!」



震える足を両手で強く叩きつける。ズボンの上から赤く腫れるくらいに。そんなことをしている間にも、被害は大きくなるだけ。

住民の避難誘導、安全経路の確保、仲間への待機命令。


そして何よりも―――。



「……鬼の……“焔ビト”の鎮魂だ……」



どういった経緯であれ、発生してしまったものは変えられない。

痛む傷も、限界を超す体も……その全てをかけて守り抜くものがある。私にはそうしなきゃいけない義務が、使命があるんだ。

グラッ……とフラつく体を起こし立ち上がり、火が最も出ている所へと向かう。そこには数人の“滅”と書かれた服を身に纏った人達が戦っていた。



「グアァァァ……! アァア゛!!」

「なんだァ、こいつァ……!」

「鬼なのかっ……攻撃が効かないぞ……!」

「行動も読めねぇ!!」



戦う人達は全員、私の知っている人だった。






「……ここから離れてください。不死川さん、伊黒さん、宇随さん」







93話 焔ビトになった鬼→←91話 早く向かえ



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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) -  夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時

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