【鬼滅の刃】消させないよ、誰にも その2【炎炎ノ消防隊】

51話　鎹鴉 ページ5

「おお……色っぽいですなぁ……」

「へっ！？」



前田さんの一言で、しのぶさんの一撃が飛んできた。げんこつだけど。

……容赦ねぇ。

うずくまる前田さんを尻目に、しのぶさんが「Aさん、どうですか」と聞いてきた。



「あ…とっても動きやすいですね……足元がスース―しますけど」

「やはりスカートは駄目ですね。カナヲは気に入っていたので特に何も言いませんでしたが。前田さん、ズボンはないのですか？」

「……本来女の人の隊服はスカートですので」

「すぐに用意してください」

「……御意」



何かごめんなさい、前田さん。

まあ、訓練校の時もスカート履いてたし、慣れてないわけではないけれど。
やっぱり私はズボンがいいかな。



「ただのお預かりの人間にここまでしていただいて…本当にありがとうございます」

「そんなこと言わないでください。Aさんはもう、鬼殺隊の一員ですよ」

「……はい、足を引っ張らないよう頑張ります！」

「無理は禁物ですからね。あ、そうそう。忘れていましたが、隊員にはそれぞれ一羽、連絡用に“鎹鴉”がつくんです」

「かすがい…からす……？」



鴉って鳥だよね？

なんて思っている間に、縁側から「カァァ」と鳴きながら飛んできた何か。それは、しのぶさんの肩に乗っかっていた。



「こちらが、Aさんの“鎹鴉”です」

「カァァ！ お前ガAカ！」

「ん……え、ま…しゃべっ…！？」

「これから任務の時は、この鴉が知らせてくれます」

「は、はあ……」



気のせいなのかな……鴉が言葉を話してた気がするんだけど。

鴉が話したことに驚きを隠せずにいたら、しのぶさんが「ああ、訓練したんですよ」と教えてくれた。



「訓練するだけで話せるんですね」

「言葉があるだけで、鴉の性格も分かって面白いですよ」

「カァァァ！ オイ、A。腹ガ減った！ 飯ヲヨコセェェェ！」

「……パシられるんですね」







“下等生物が”とか思ってそう、この鴉。








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