検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:122,811 hit

70話 仲間の元へ ページ24

叫び声をあげ日輪刀が自分の首を掻っ切る寸前で、俺はハッと意識を取り戻した。思わず首元を触り、自分が生きていることを確認する。

……大丈夫だ、生きている。

安堵していると、横から「よかったぁ」という声が聞こえた。その声の主を振り返れば、隣には禰豆子がいて、目を点にして「ムーー…」と何やら俺に訴えかけていた。



「禰豆子…無事だったんだな…!」

「ムッーー!」

「ごめんな、心配かけて」



心配そうにする禰豆子の頭を撫でながら、俺に声をかけてくれていたであろう女の子へと目を向け、「君は一体…?」と声をかけた。するとその子は、すごく申し訳なさそうな表情で「ごめんなさい、こんな目に遭わせてしまって」と謝罪してきた。



「なぜ君が謝るんだ?」

「……眠らせるよう指示をした奴に従ってたんです。私は、私達は……“鬼狩り”と名乗る女の子に助けられました。その罪滅ぼしとせめてもの償いに、眠ってしまっている人達を起こしているんです」

「鬼狩りの……女の子……?」



頭の中で情報を整理させながら、周りの様子を見てみれば、数人の人達が眠っている人達を順に呼び起こしていた。その表情はとても必死で、切に無事であることを願っているようにも見える。

…いや、それよりも“鬼狩りの女の子”だ……思い当たる人って言ったら一人しかいない。合同任務で一緒になったあの人しか。



「Aさん…が、君を?」

「…あの方はAさんというのですね。落ち着いたらまたお礼を言わなければ……」

「その子は……一体どこに?」

「……鬼の所です。絶対倒すから乗客の人達をお願いと言っていました」

「鬼の所……一人で…!?」

「……ええ…」



そんなまさか。俺が眠っている間に、事態がそんな進んでいるなんて。一刻も早くAさんの後を追わなければいけない。一人でなんて無茶すぎる!



「鬼の居場所を教えてください!」

「えっ…あなたも鬼狩りなんですか?」

「はい、彼女を助けないといけない。お願いします!」



鬼の居場所を教えてもらった俺は、急いで前の車両へと足を進める。外に出てみて分かったけれど、鬼の匂いが強烈だった。この列車全体に広がっているかのように。

……それに、Aさんの匂いも強かった。鬼と同じ方向から匂うってことは、本当に一人で行ってしまったんだ。







「Aさん……無事でいてくれ!」







71話 血鬼術って厄介だね→←69話 夢と現実



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
146人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) -  夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。