64話 合同任務 ページ18
車内の様子を見終わったくらいに「あの…すみません」という控えめの声が聞こえ、振り返れば見知ったメンバーが立っていた。
「あれ…炭治郎?」
「え……ってAさん!?」
「うそ!? なんでここに!?」
「んー…任務で呼ばれたんだー」
「あ、俺達と同じですね」
「あ、もしかして……煉獄さんと合同だったの?」
「そうです。この人、ですよね…?」
「うん、そのお弁当食べている人だよ」
「え、この食いしん坊―――ってぇな、何すんだよ炭治郎!」
「失礼だろ、善逸!」
「いや事実でしょ!」
善逸の発言にゲンコツをかます炭治郎。
いや、善逸は正しいよ。私も“食いしん坊”だと思ってし。
そんな私達の会話にようやく気がついた煉獄さんが「うむ、君達は?」と声を掛けてきた。自己紹介もそこそこにし、席に座る炭治郎達。煉獄さんの隣に炭治郎、通路を挟んだ向かい側に善逸と伊之助が座っていた。
炭治郎は煉獄さんに聞きたいことがあったらしく「ヒノカミ神楽」や「火の呼吸」について質問していたが、「知らんな!」という一言で片づけられてしまっていた。気の毒。
呼吸の話で盛り上がっている中、ガタンッという揺れとボォーという音が遠くから聞こえ、列車が動き始めた。そのことに感動を覚えたのか、伊之助が窓から身を乗り出して「速ぇぇぇ!!」と叫んでいた。
「危ない、馬鹿この!」
「俺外に出て走るから! どっちが速いか競争する!!」
「馬鹿にもほどがあるだろ!」
「…私の方が速く飛べそう」
「え…Aさん、今なんて言いました!?」
「いや何も」
今にも外に出そうな伊之助を止める善逸が、私の発言に「えぇぇ、そ、空耳?」と表情をコロコロ変えながら戸惑っていた。その反応が面白くて笑ってしまった。
「危険だぞ! いつ鬼が出てくるか分からないんだ!」
「え……嘘でしょ…鬼出るんですか、この汽車!」
「出る!」
「出んのかい! 嫌ァ―――! 鬼の所に移動しているんじゃなくここに出るの嫌ァ―――!」
「俺、降りる!」と叫び続ける善逸。そんなのお構いなしになぜ鬼が出没しているのか、どんな状況なのかを淡々と話し始めた煉獄さん。
「短期間の内にこの汽車で四十人以上の人が行方不明となっている! 数名の剣士を送り込んだが全員消息を絶った! だから柱である俺が来た!」
「ハァ―――! なるほどね、降ります!!」
……“消息を絶つ”という言葉にドキリとしたのはなぜだろう。
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☆りんご☆(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます! 宇髄さん流に褒めていただきとても嬉しいです! もっと派手に盛り上がるよう頑張りますね! (2020年3月13日 0時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めちゃくちゃ面白いです!もう派手派手です((←更新頑張ってください! (2020年3月8日 16時) (レス) id: a5bea457da (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます! 炎炎ノ消防隊はアニメしか見てないですけど、面白いので是非見てみてください!! 時間はかかりますが頑張ります! (2020年3月7日 2時) (レス) id: b4140779db (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - すごくおもしろいです。炎炎の消防隊は読んだことがなかったのですが、この夢小説を読んで興味がでました。続きが楽しみです。 (2020年3月5日 23時) (レス) id: 999b324e53 (このIDを非表示/違反報告)
☆りんご☆(プロフ) - 夜桜さん» コメントありがとうございます! そこまで楽しみにしていただけてとても嬉しいです(*´ω`*) 納得のいく文章を考えるのに時間がかかりますが、早くお届けできるよう頑張ります(`・ω・´) (2020年3月4日 1時) (レス) id: 0283dc52d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆りんご☆ | 作成日時:2020年2月25日 15時