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気が付けば夢中になって石を探してた。
もうどれぐらい経ったんやろう、辺りはすっかり日が落ちかけてる。
「……なあ、そろそろ帰ろ?冷えてきたし、」
A「まだ4つしか見つかってないもん……」
「今日じゃなくえもええやん、また来よ?家から近いし、時間あったら付き合うからさ、」
A「……でも、今日じゃなきゃ、」
そう言いかけた言葉を、Aちゃんは途中でやめた。
今日じゃなかったら…… 何?
もう来る時間ないなんて、俺は思いたくない。
「大丈夫。絶対見つかるから。な?お願い、今日は帰ろ?」
A「うん……」
長い時間川の中に足を入れてたから下半身がめっちゃ冷えてる。
このままやったらほんまに風邪引いてまうわ。
持ってきたタオルをカバンから出して、彼女の冷えた手をそっと引く。
「ごめんな、ちょっと、足拭くで?」
そう言いながら足元に屈もうとした時、
ドサッ
っていう音と同時に、俺の身体が倒された。
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「いった……」
目を開けると、思わず尻もちついた俺の身体の上にグッタリ横たわる彼女。
氷みたいに冷えた手足とは真逆に、もたれかかった身体はめちゃくちゃ熱い。
「おいっ、ちょっと……大丈夫?!」
身体を揺すっても、気を失ってんのかピクリとも動かへん彼女。
俺は自分の足を拭くことなんか忘れて急いで靴を履いて、彼女を抱えて家まで走った。
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布団に寝かせた頃には顔を真っ赤にしてて、こんなになるまで無理させた自分を責めたくなる。
「ごめん…… 石なんて、探させたから……っ、」
吐く息すらも熱いその身体を抱きしめたら、その拍子にポケットからこぼれ落ちた石。
彼女がそこまでして見つけたかったのは、きっと病気が治ることを願いたかったんやろう。
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「Aちゃん…… 俺が、絶対見つけるから、」
少し苦しそうな表情で眠る彼女の耳元でそっと呟いた。
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みーぽん(プロフ) - News9864915さん» ありがとうございます!(><) (2020年3月8日 16時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
News9864915(プロフ) - 最後泣いちゃいました泣 (2020年3月8日 16時) (レス) id: 7b9d7e55b8 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 舞さん» はじめまして。コメントありがとうございます!発想を褒めてくださってすごく嬉しいです!最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。 (2020年2月1日 11時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - なつみさん» なつみさん!泣いてくださってありがとうございます… 次回作も頑張りますので、またよろしくお願いします! (2020年2月1日 11時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 雛里さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます……!感動していただけて安心(?)しました。最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。 (2020年2月1日 11時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:望穂 | 作成日時:2020年1月24日 20時