何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ22)

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86話ページ22

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貴『(来る！！)』

辺りの山賊が一斉に間合いを詰めてきた

その瞬間

「「助けてください！！」」

貴『へ...？』

いきなり頭を下げる山賊に困惑する

そんな二人を他所に山賊は続ける

山賊「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ

息子の命が！！どうか、お力をお貸しください！！

ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」

貴『あ、え...？』

すぐ隣にいるヒソカを見上げる

と、さして興味がなさそうな顔をしているヒソカが目に入った

貴『ヒソカ、助けてあげよう。』

ヒソカ「...

Aに任せるよ♦」

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その後山賊の家屋と思われる場所まで連れて来られた

山賊「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ

村の風土病で、治すには薬が必要なのです

ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ

ですが、薬の効果は一週間。

それを過ぎるとまた高熱が...

薬は高く、我々の手元にはもう一銭もないのです。

どうか、１５万ジェニーほど恵んでいただけないでしょうか？」

貴『(ほぼ手持ちのお金全部...

てか初めはつい可哀想で助けてあげたいって思ったけど、これイベントか。

なんか、感情移入しちゃった。)』

ついついゲームのキャラクターへ同情しイベントである可能性を見失っていた

貴『(でもここまで来て、いや無理です、なんてNPC相手でも言いづらいや...)

分かりました。』

そう静かに告げ、お金を手渡した

貴『(グリードアイランドから出たら銀行行こう...)』

そう、決意を固めたAを余所に話は進行していく

息子「父さん、寒い、寒いよ、」

部屋の中央で寝ている少年が苦しそうに告げる

山賊「おお、息子よ。

今、親切な旅人の方がお金を恵んでくださった。明日には薬が手にはいるぞ！！」

息子「寒い、凍えちゃいそうだよ...」

山賊「なんと言うことだ！！このままでは息子は今夜にでも凍えて死んでしまう...

こんなとき、余分な服でもあれば...

ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」

山賊たちの視線が突き刺さる

貴『(服が欲しいってことだよね...？)

私のものでよければ...』

山賊「なんとお優しい方なんだ！！

ありがとうございます！！」

貴『いえ...』

そういって自身が来ていた黒いパーカーを差し出した