何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ23)

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87話ページ23

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山賊のイベントを一通り終え、再び二人はマサドラを目指す

貴『(あのイベント誰が考えたんだろ...？)』

お手伝いとしてグリードアイランド作成に少し関わっていたとはいえさすがに全てのイベントまでは熟知していない

貴『(こういうのも楽しいかも...)』

そんなことを考えていると

貴『ﾊｸｼｮﾝ！』

日が落ち気温が一気に下がっていた

ヒソカ「寒いのかい？♦」

今まで黙っていたヒソカが声を発した

貴『...うん。』

ヒソカ「キミねぇ...♠」

貴『(ヒソカ、呆れてる...

確かにNPC相手に見栄張っちゃったしなぁ...

寒っ...！)』

ブルッと震えるAをヒソカは静かに引き寄せた

貴『(温かい...)』

ヒソカに包まれ体温に触れる

ヒソカ「随分冷えてるね♦」

上は黒いタンクトップしか着ていないAの体はヒソカの想像以上に冷えていたようだ

抱き締めたままヒソカが続ける

ヒソカ「自分のことも大事にしなくちゃ♥」

ヒソカからの助言とは思えないほど全うなものだった

貴『気を付けます...。』

反論も無く頷くことしか出来ない

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貴『ヒソカ。』

ヒソカの背中に回していた手で

ﾄﾝﾄﾝ

と彼の背中をたたく

ヒソカ「ん？♦なんだい？♠」

貴『マサドラ行って宿借りて、そこで休もう』

Aからの提案に頷くヒソカ

ヒソカ「でも、Aは寒いんだろう？♦」

貴『大丈夫。』

ヒソカ「ボクの服貸してあげようか？♠」

貴『ごめん大丈夫。』

ヒソカ「ひどいなぁ♥」

貴『ふふ。

ありがとう。』

ヒソカ「これ以上冷えないよう、急ごうか♠」

闇夜を再び走り出した