何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ13)

今日:2 hit、昨日:28 hit、合計:127,541 hit

76話ページ13

･

･

･

雨に打たれながら話し込んでしまいすっかり冷えてしまった体をホテルの湯船で温める

･

･

･

･

貴『ヒソカ、お風呂あがったよ。

次、どうぞ。』

ヒソカ「ん♦」

トランプをいじるのをやめ素直にお風呂へ直行するヒソカを眺めつつベッドへ腰かける

貴『(ヒソカが、私を、好き...)』

未だに実感がわかない

ふとヒソカの言葉が甦る

「「好きだよ、A♦」」

貴『ふふ。』

思わず漏れた笑みに感じずにはいられなかった

貴『(大好きだなぁ、私。ヒソカのこと。)』

そんなことを考えながらベッドに体を預ける

貴『(ああ、今までヒソカと色んなことあったなぁ)』

ハンター試験でお目付け役となったこと

試験前に偶然にも天空闘技場で出会ったこと

三次試験でペアになったこと

貴『(このときからヒソカと話せるようになったんだっけ？)』

四次試験でトランプタワーを一緒に作ったこと

貴『(幸せだったなぁ...)』

最終試験で戦ったこと

貴『(お互い、本気には程遠かったけど、私は案外真剣だったんだよ...？)』

貴『(それから...)』

ゾルディック家に行くため一度お別れしたこと

そして天空闘技場で再開したこと

始めて一緒のベッドで寝たこと

貴『(...で、喧嘩したんだっけ...)』

苦しくて...

寂しくて...

辛くて...

悲しくて...

何より、貴方から名前を呼ばれなかったのが一番切なかった...

頬を涙が伝う

貴『(だめ、ヒソカがそろそろお風呂からあがってくる...)』

涙を拭おうとしたとき

ヒソカ「A？♦」