何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ12)

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75話ページ12

『でも...』

俯いたまま続ける

『ヒソカは、マチと組みたいんでしょ？』

アジト内での二人の雰囲気から容易に察せた

『だったら、邪魔はしたくない』

未だに許してくれないヒソカへのせめてもの償いだった

これ以上、涙を見せたくない

その思いからその場を立ち去ろうとする

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･

が、次の瞬間には腕をとられ後ろに引っ張られていた

貴『(え、転ぶ...)』

尻餅をつく、そう直感し、目をぎゅっと閉じた

貴『(痛......

･

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くない？)』

恐る恐る目を開けると自身が誰かの腕の中にいることに気づく

その腕は紛れもなくヒソカのもので

貴『ヒ、ソカ...？』

･

ヒソカ「キミは、いつも消えちゃいそうだよねぇ♠」

貴『え...？』

後ろから抱き締めたままヒソカが続ける

ヒソカ「でも、消えたと思ったらひょっこり現れてクロロと仲良くしてるし...ボクがどれだけ嫉妬したかわかってるのかい？♠」

貴『ヒソカ...』

ヒソカ「今度は心置きなく一緒にいれると思ったら、キミがいなくなったときのことが頭に浮かんで恐くなるし...♠」

恐い、彼に似合わない言葉だった

彼からの珍しく嘘のない告白に胸が締め付けられた

貴『ごめん...』

Aの目に溜まった涙を指で拭いつつ続ける

ヒソカ「好きだよ、A♦」