過去と今と未来と (ページ9)

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深澤side

「大丈夫！？」

少し目を離した隙に舘さんが蹲み込んでいて、翔太が意識をなくしていた

「翔太くん、翔太くん！」
「舘さん、どうした？」

意識をなくしている翔太の方は照達に任せて
蹲み込んだまま動かない舘さんに声をかけた

「大丈夫、少し...気分が悪くなっただけだから」
「熱中症？でも身体は熱くないから取り敢えず家の中に行こう、立てる？」
「うん、大丈夫いける、」

ゆっくりと立ち上がった舘さんに手を貸してそのままリビングのソファーまで連れて行き座らせる

「水分補給してた？」
「ちゃんとしてた」

舘さんは原因が何かを分かっているみたいだけど言うつもりはないみたいだな
それに気づいて何も言わずに、翔太に何があったのかを聞く

「舘さん、翔太に何があったか分かる？」
「.....多分だけど、トラウマ」

そこまで言ってからこれは他の人に言って良かったのか不安になってしまったみたいで黙ってしまった

宮舘side

翔太が俺にだけ話した過去、話した本人はもう忘れてしまっているが、確かに聞いた話

「トラウマ、か...分かった、話してくれてありがとう
ゆっくり休んでて」

そう言い残し、ふっかは外へ向かっていった

入れ替わるように照が翔太を抱えて、そのまま二階へ上がり翔太の部屋まで運んで行った

ぼんやりとその光景を見ていたけど
他の皆んなは大丈夫だろうかと気になって庭を見た
その時プールの水が強風に煽られ大きく波を打ち、その波からさっき見た真っ黒な人間が現れた
真っ黒な人間を見た時何故か分からないが本能的に立ち上がっていた

ゆっくりと自分の方へ近づいてくる真っ黒な人間のようなもの
普段はあまり感じない恐怖を感じる

ダメだ、翔太が意識を飛ばした中で自分も意識を飛ばすなんて、そんな迷惑かけられない
そう考えてはいるが、迫りくる恐怖に身体は意識を飛ばそうとして視界が霞む
家の中に入ってくる、という一歩手前で半ば強制的に意識を飛ばした