過去と今と未来と (ページ10)

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岩本side

意識をなくしている翔太は運んでいても当たり前のように起きなくて、ベットに慎重に下ろせば少し表情が和らいだ
そっと部屋を出てリビングへ向かうと座っていたはずの舘さんが立っていて目を見開いて外を見ている
外には他の皆んながいるが視線を辿った先は誰も居ないプール

「舘さんどうかした？」

問いかけても返答はなく、肩を叩こうとした時舘さんは目を閉じソファーに倒れ込んだ

「ちょ、舘さん？舘さん！」

突然の事に焦りはしたが頭は冷静で、変な体制で倒れてしまった舘さんを寝かせ直し熱があるのか？と額に手を当ててみるが高温というわけではない

どうするべきか、と悩んでいると再びふっかが家の中に戻ってきた

「照、...舘さん寝ちゃった？」
「寝ちゃったっていうか、意識をなくしたって言ったほうがあってるかも」
「なら、部屋まで運んでもらってもいい？」
「分かった」

舘さんを部屋に連れて行くと、ふっかはちらりと外を見つめ、また外へと向かった

２人がこうなった原因がなんなのかふっかは気づいたのか、？

深澤side

「ねえ、ふっか、舘さんも翔太も体調悪かったの？」
「、いやそういう訳ではないみたい
早く片付けちゃおう、曇ってきちゃったし」

あまり話さないほうがいいだろうと無理矢理話を変え片付けを急かす
今まで雲ひとつない晴れだったが２人を家の中に連れていっている間に雲行きが怪しくなってきた

舘さんを運び終えた照も合流し片付けを進めていた

その間にも天気はどんどん悪くなっていき、空は厚い雲に覆われている
こんなにも短時間で天気が変わってしまうなんて、今日はどうしたのだろうか、と会話をしていると照の手が止まった

「どうした？」

隣にいた佐久間が声をかけるが返答がない
照は空を見上げて、そのまま泣いていた
涙を拭わずただ涙を流すだけの照に佐久間はどうすればいいのか分からず戸惑っている

照の過去って...

考えていると照は顔を手で覆って泣き崩れた

落ち着かせようと照の近くに行こうとする前に照の身体は背中をさすっていた佐久間の方へ倒れた

「照？照、照！なんで、」

若干パニックになっている佐久間から照を受け取り
阿部ちゃんに佐久間を頼み、照を家の中へと運ぶ

流石に部屋までは運べないからソファーに下ろして涙で濡れた顔を拭いていると外から叫び声が聞こえた