過去と今と未来と (ページ41)

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首元の刃物と、後ろにいる人物の荒い息遣いが目黒の恐怖心を煽り動けなかった

刃物を上手くよければ逃げることができるように後ろの人物は目黒を捕らえていた

「ねえ、なんで、逃げないの？もしかして、僕と一緒に来てくれるの？」
「...............」

怖くて声も出なかった
それをいいように受け取った後ろの人物は車の方に合図を出した
すると、中から何人かの男が出てきて目黒を車の中に無理やり乗せようとしてきた
そこで刃物の恐怖から解放されていた目黒は抵抗をしたが大人の力に子供の力は敵わず押し込められた

辺りは薄暗くなっていた

中にいた男に目隠しをされ、さらに手足を縛られた
声を出そうとしてもやはり恐怖心が強く出た言葉はなかった

男達の会話は
「こいつ、どうするんすか」
「取り敢えず、廃屋に連れて行って金にするんだよ」

などで詳しくなくてもヤバい奴らだと分かった
さらに再び首元に何かを当てられた

「大人しくしてないと、刺したり、撃っちゃうから」

何も見えなくても相手がニヤニヤしていると分かる
しばらく車は走り目的地に着くと荒々しく降ろされた

目隠しをされたまま、何週間か放置された
適当に飲まされ、食わされはしたが明かに量は少なく育ち盛りである目黒には足りていなかった

周りに何人いて、ここがどこなのか、真っ暗な世界で考えても分からない
時が経ち、また首元に何かを当てられた

今度は何やら周りが騒がしい

首元にあるのは刃物かもしれない、その恐怖が再び襲いかかった
それだけが頭を支配して周りの声が聞こえないほどのパニックになった
少しして首元の何かが動いた
それは目黒の首を切るような動きで痛みが走った

切られた、？

あまりの恐怖に身体の震えが止まらない
何かを放った、おそらく銃声と思われるものが響くと目黒の首元に当てられたものは無くなった

目隠しを外されて、眩しい世界に目をやった時
周りには車から出てきた男達がいてこっちにやってきた、窓から見える空は真っ暗

あまりの恐怖に、目黒は意識を手放した