過去と今と未来と (ページ13)

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深澤side

腕の中で眠ってしまったラウールを部屋まで運び、そのまま皆んなの部屋に様子を見に行く
魘されている人もいて声をかけるが起きない
代わりに全員の頭を撫でて部屋を後にした

広いリビングに一人きり、電気をつける気さえ起きないほど静まり返った空間に寂しさが襲う

.....一応気をつけているつもりだった

細心の注意を払って生活してきたつもりだった
皆んなのトラウマを思い出す事がないように、引き金となるものに合わせないようにしていた

まさか、毎年何回かやっているバーベキューで、プールから始まり、突然の曇りで、皆んなが次々とトラウマを思い出すなんて誰が考えられた？

確かに最初の数年は皆んなの過去に関わる事は一切やらなかったし、なりそうなら必死にならないようにした

負の連鎖のように次々と意識をなくしていくのは流石に俺も過去の出来事が頭をよぎった
何年も前、今まで思い出すことはなかった記憶
ダメだこうなってしまうと暫くは頭から離れない
何か、違うことを考えないと、意識が、あの時に戻ってしまう...

「......ふっか？」

ソファーに座り込み頭を抱えていた俺にふわふわとした声で話しかけてきたのは阿部ちゃんだった

「阿部ちゃん、？大丈夫なの？」
「大丈夫ってわけでもないけど、起きたから、」

時折顔を顰めているから、頭痛がしているんだろう

「頭、痛いんでしょ、まだ寝てた方がいいよ、」
そう諭すように言うと、少し間が空いて

「ふっかも、フラッシュバックしたんでしょ、？
休んだ方がいいよ、また、倒れるつもり？」

鋭くけど心配そうに核心をついてきた

「大丈夫、そんな簡単に倒れたりしないよ
取り敢えず部屋行こう、送っていくから」

何か言いたげな阿部ちゃんの手をとって部屋まで連れて行く
やはり頭が痛いようで反対の手は頭を抑えている

「ありがとう、ふっかも無理はだめだからね」

ベットで眠りにつくまで待っていようと考えたけど部屋に行って休んでと強めに言われてしまって仕方なく部屋にいった

横になったけど眠くなくてベットに座り直し、本人から聞いた過去と、本当の過去について思い返し始めた