陽炎（かげろう） (ページ3)

今日:35 hit、昨日:5 hit、合計:158,902 hit

３　（Ｏ　side）ページ3

今日は五人そろって雑誌の撮影で、衣装もたくさんあっていろんなパターンで撮影する。
だからまあ、あんまり考えなくても出来るんだ。
それでもマツジュンはいつも始めにコンセプト聞いて、カメラマンの先回りするのに…

今日は言われるがままで、それが気になって…

つい声をかけちゃったんだ。
そしたら、『ごめん』って言われて、なんか居心地悪くなっちゃったんだよね。
らしくないことしたなって…

最近ずっとこんな感じで調子狂いっぱなしのおいら。

「ため息ついてどうしたの」
翔くんがとびっきりの笑顔をカメラに向けてから、こっちをみて優しい笑顔をくれる。
おいらが困ってるとすぐに気付いて助けてくれるのは、昔から翔くんだった。
「なんでもないよ。翔くん、今日もイケメンだよ」

おいらは逆立ちしたって真似できない、かっこ良くて優しい翔くん。
照れ笑いしておいらの手をとって隅っこへ連れて行く。

中央では相葉ちゃんがマツジュンと並んで立ってる。
あの二人が並ぶと本物のモデルさんみたいで、すげぇカッコイイ。

見蕩れてると目の前に翔くんの顔。
「智くん、口空いてるよ」
くすくす笑いながら翔くんはおいらの顎をくいっと上げる。

「やっぱり、絵になるね。あの二人」
ニノが隣に来ておいらの腕を取る。こうやって五人で仕事してると、
いつも誰かがおいらの傍で笑ってくれる。
きついことがあっても、いつもみんながいてくれるから頑張って来れたんだ。