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ごおおぉぉ…
地鳴りが、豪雨に打たれる紫蓮の耳にも届いた。
「何の音だ…？」
紫蓮の胸を押してその腕から抜け出すと
青蓮は轟音とともに迫り来る大水に向かって両手を突き出した。
迫り来る大水を睨みつけるその瞳には青い光が揺らめき、
青蓮の身体からも青い光がゆらりと立ち上る
―止まれっ
―これ以上は許さない
―水神の子、青蓮が許さないっ
青白い光が青蓮からほとばしり、それはやがて強い光の塊となった。
ぶわっと膨れ上がった光はまっすぐ大水にぶち当たり、
見たこともないほど大きな水柱が天に向かって立ち上がった。
天をも貫く勢いで
高く
高く
紫蓮は呆然とその水柱を見上げた。
「なんだ…何が起こった…？」
豪雨は止み、大水は水柱とともに霧散した。
「あ、青蓮っ」
我に返った紫蓮は、静かに佇む青蓮のもとへ駆け寄った。
そんな紫蓮の無事な姿を見て青蓮は安堵する。
「し…れん…よかった」
ふらりと身体を揺らした青蓮はそのまま紫蓮の腕の中に崩れ落ちた。
「大丈夫か、青蓮。一体なにが起こったんだ」
「大水が…村を…」
「それを…お前が止めたのか…？」
「…ボクは水神の子…だから」
「水神の…子…？」
『いかにも。青蓮は我が息子。お前が青蓮のいう人間か』
空から降ってきた声に紫蓮は天を振り仰ぐ。
輝く白銀の長髪をなびかせた水神がその姿を現した。
紫蓮を射貫くようににらみつける深い泉の青い瞳がふと細められ、
いぶかしげな色を漂わせた。
『お前は…、まさか…っそんなはずはない』
『いいえ、お父様。この若者はお父様の子。青蓮の双子の弟。
かの娘は双子を産み落としたのです。
水神の力をもつ青蓮しか天界へは連れて行けなかっただけ。
私がかの娘の親御に弟を託したのです』
ゆらりと柔らかな白い光を放ちながら舞い降りた睡蓮の女神が、
紫蓮に頷きかけ青蓮へと視線を移し、痛ましげにつぶやいた。
『青蓮…持てる力をすべて使ってしまったのですか…？』
「どういうことだ…？今なんて言った？」
青蓮を抱きしめたまま、女神を凝視する紫蓮。
『この子とお前は水神と人間の娘の間にできた双子』
「ばかなことをっ俺はここの村の人間だ」
『そうです。この村の娘がお前の母。そして父は水神』
「…そう…だったの…それで紫蓮は…とうさまに…」
か細い声はやっと紫蓮に届く程度。
「青蓮、大丈夫か」
腕の中の青蓮はふわりと微笑んだ。
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ＡＫＩＲＡ(プロフ) - mioさん» そんなふうに受け取ってもらえて嬉しいです。穏やかで優しい空気と木漏れ陽に満たされたカフェで、わたしも忙しい日常を忘れて癒やされたい〜またこのカフェのお話は描きたいと思います。ふわふわ笑う長男と優しい眼差しの五男。いつになるかは分からないけど（笑） (2020年5月13日 0時) (
レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - カフェクローバー、どこかにないかな(笑)。仲良く2人でお仕事してるのを、通りがかった窓越しに見るのとかも癒されそう(*^^*)じゅんくんと一緒にいるサトシくんは、ほわほわと幸せそうで素敵です。揺るぎない愛情の中で微笑むサトシくん、私も幸せ頂きました(^^) (2020年5月11日 22時) (レス) id: 075ae85cbe (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» ふたりのなれ初めは長くなるからやめたんですが、思い浮かべたシーンはあるのでいつか描こうかな。賑やかな感じになると思うけど（笑）気長に待っていてくださいね。ソラリスの外伝は、全部名前を入れ替えて、手直しして…来月あたりからアップできるかな。 (2020年5月11日 21時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
bunkichi(プロフ) - AKIRAさん、最後までほのぼのないちごが素敵でしたよ。ぜひ、2人のなれそめも書いてほしいなあ。ソラリスも楽しみ。待ってます。 (2020年5月11日 15時) (レス) id: 4161089d38 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＫＩＲＡ(プロフ) - bunkichiさん» bunkichiさん、お待たせしました（汗）こんなにお待たせする予定じゃなかったのに…それでもこのお話は新緑の季節を想定しているのでジャストタイミングということで（笑）お待たせした分、一気にアップしますよ〜後半もお楽しみに！ (2020年5月10日 21時) (レス) id: 4512a7e1db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＡＫＩＲＡ
| 作成日時：2019年8月22日 0時
