白妙の衣は薄紫の花に埋もれて…２東京編 (ページ3)

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俺の言葉に驚いて、それから思い出せることすべてを事細かに話してくれた。時々俺から質問して、だんだん見えてくるその症状。

「マサキ、この血液検査の結果が出て、詳しいことが分かったらすぐにサトシに会いに行こう。俺の考えが間違ってなかったら、サトシを村から連れ出せるかもしれない」

俺たちは運転を交代しながら仮眠を取るだけにして、ほとんどノンストップで東京へ帰った。

途中でカズに連絡を取ると、あいつは詳しいことは後で聞くからと、必要最低限のことだけ確認して余計なことは訊かずにいてくれた。
マサキには話難いこともあるから正直助かった。

　
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そう、俺にも幼馴染らしき関係のやつがいる。

そいつとは親の都合で渡米して初めに通った日本人学校で知り合った、
どっかの財閥かなんかの御曹司でとにかく偉そうな奴、それがカズだった。

俺はガキの頃から負けん気の強い性質だったから、よく喧嘩になったもんだ。

途中で転校した俺は地元の学校をどんどん飛び級して難関私大の医学部薬学科へ進学して、もう会うことはないと思っていたのに、その大学でまたカズに会った。

俺が出た後、奴も超有名私学に転校していた。そこをやっぱり飛び級して、俺より二年遅れて同じ大学に入学していた。
　

お互いを見つけた時の驚きは口では言い表せないもので、あんなに仲が悪かったのに指を差しあって二人で大笑いした。
それから、喧嘩をしながらも何となく一緒に居たのは自国語で話ができる気安さと、ガキ扱いされる者同志だったからかもしれない。

日本人はただでさえ若く見られるのに、飛び級までした俺たちはフザケタ話だけど、まるで小学生扱いだったからな。

在学中に論文が認められた俺が日本の製薬会社の研究員として迎えられることになった時、カズは親の事業を継ぐのが嫌で、傘下の製薬会社の経営者に納まっていた。

本人は否定してるけどたぶん俺の影響で、だよな。