��先生が好き（クルーウェル先生） ページ10
ダッ
その場から早く立ち去りたくて思わず走って教室を出た
2人のユウ！と呼ぶ声が後ろから聞こえたけど無視して出てきてしまった
自分でもどこに向かって走っているのかわからなかった
けれど、とにかく人が居ないところに逃げ込みたくて
必死に走った
「はぁっ、はあっ。」
段々息をするのが苦しくなり立ち止まった
「どうしよう、逃げてきちゃった...」
泣きながら、しかも 大嫌いだなんて言ってしまって
情けないし恥ずかしい
「バカだな、、、私。」
明日からどんな顔をして2人に会えばいいのだろう
エースのことも突き飛ばしたりして...
そして教師と生徒なんて恋愛できるわけがないのに
何かを期待して押しつけて
私こそ2人の気持ちを考えてあげることが出来てなかった
学園に戻ってちゃんと2人に謝らなければ....
「あれ、ちょっと待って.....私こんなとこまで走って逃げてきちゃってたかな」
辺りを見渡すと学園の外に居るようだった
そういえば前に先生から学園の外は危ないから出るなって言われてたっけ
森に惑わされるから危ないって
とりあえず学園に戻らなきゃ
後ろを振り返ると学園に続く道はまだ見えている
「良かった、早く戻ろう」
____________
________
____
「.......どうして....」
さっきから学園に続く道を辿っているはずなのに一向に学園に着く気配がない
歩いてもう30分は経つ
こんなに遠くまで走ってきた覚えはない
自分が森に惑わされ抜け出せなくなっていることを察した
いつ学園から出ていつ森に入ったのかも思い出せない
このまま森から抜け出せなかったら.....？
そう思うと一気に恐怖が襲った
「怖い.....怖いよ...
学園に戻りたい......」
段々と空も暗くなり始める
風の音も不気味に感じてくる
その時、
「え、何これ……！！」
辺りが白い霧で一面に覆われていく
嫌な予感がする
「私このまま死んじゃうのかな....」
また涙が溢れ出す
白い霧で自分が覆われると共に意識も段々と薄れていった
バタッ
立っていられなくなりその場に倒れ込んだ
「助けてっ......先生.....お願い............
先生..........ごめんなさい.... 先生........」
薄れゆく意識のなかで浮かんだのは先生のことだった
大嫌いなんて心にもないことを言って
先生にどれだけのことを教えてもらって、どれだけ助けてきてもらったか
それなのにあんなことを言って
私は最低だ
ほんとうは先生が大好きなのに
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作者名：KEY | 作成日時：2020年5月7日 23時
