【歌い手】リスナーなんですけど【浦島坂田船】

やってしまった ページ12

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引きこもり、と言っても無職ではない。



一応、仕事には就いている。



　「締切り地獄だ…」



雑誌などに、音楽関係のコラムを書いている。



明日に迫った締切りに、私は頭を抱えているワケだ。



パソコンの前で悶々としていると、軽快な着信音が鳴った。



坂田さん今から会えないかな?会わせたい人もいるし!



坂田さんからのＬＩＮＥには、嬉しすぎるお誘い。



会わせたい人、って多分歌い手さんだろうな。



本来であれば、尻尾を振って飛びつくような内容だけど、私には仕事がある。



Aごめん…今仕事に追われてて

坂田さんそっか…残念だけど、仕方ないね



あぁ、坂田さん。あなたって人は。



文面からでも伝わるしょんぼりした空気。



行くっきゃないでしょ。止めないでくれ。



Aやっぱ行くよ!!

坂田さんえ、大丈夫なの?

Aうん、問題ないよ



やってしまった。



私はまた、パソコンの前で頭を抱えることになる。




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