第四十九波 ページ49
家に閉じ籠ってもやることが無い。
そう思っていたら昔の仲間から連絡が来た。
「元気にしてた？」
『勿論。あ、そうそう、聞きたいことがあるんだ』
名前はナイショ。
新潟の不良時代、今でも十分不良だけどさ、とにかく中学生の時、いつもつるんでた男の子。
こんなにタメ口きく仲間なんてそうはいないんだから…
『お前の学校に武器屋って奴、いない？同い年で』
「はぁ？そんなの知らないけど…」
『そうか…どこにいるんだろうな…』
「なんで？」
『大阪の方の組から連絡が来たんだよ。跡継ぎ問題で頭の孫が東京に親子諸共雲隠れしてんだって』
「あーなんだっけ。チビ眼鏡のガキ？あれ、同い年だっけ」
記憶の中には小5の時に私が泣かせたガキの姿しか思い浮かばない。
あっちが新潟来たんだけど…理由もまあ色々あるんだけど…気に食わなくて泣かせたんだっけ。
一つ言えるのは私はその時には既に不良とかそういう道まっしぐらだったということだ。
『見つけたら連絡くれって。一様調査員っつーかあの眼鏡のガキの幼馴染送り込んだみたいだけど見つからないんだって』
「りょーかい。停学終わったら探すわ」
『ちょ、やらかしたの？』
「まあ、事情がありまして。瀬斗とね」
『声…明るいから今度は勝ったんたな』
「まあね〜文句無しの圧勝だし、正当防衛認められたっぽい。売られた喧嘩買ったらこうなった」
『あ、そう…なんかもう、少年院送りにまたならなかっただけ十分』
「お生憎様。もう意味のない喧嘩はしません」
浦正と会えなくなるし。
虎次郎と話つけられなくなるし。
一様喧嘩は辞めるつもりだったんだけどね、無理だったわ。
そう思いながら私は笑う。
電話の子機は私の手汗で濡れ始めていた。
『復帰したら探しといて。フェアリークイーンって言えば向こうも黙ってないだろ』
「…それはどうかね？こっちではブルートルネードが1番有名な不良だもん」
全国区にしたかった訳じゃないから別にいいんだけどね。
なんというか…悔しい思いもほんの少ししか無かった気がする。
虎次郎君の名前の方に注意がいってたし。
『じゃあな』
そういって電話が切られる。
楽しかった電話が終わると、静かな空間が私を包む。
寂しい、悲しいこの空間。
新潟みたいに虫の音色が聞こえるわけでも風の音色が聞こえるわけでもない。車の音と汚れた空気、私には到底合わない。
でも、帰らないと決めたから。
本を手に取り、文字を追う。
淋しさを紛らわし、全てを忘れる為に。
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杜若蒼(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます♪待っててくれるんですか！ありがとうございます！本当に遅くなるかもしれませんが頑張って書きますね♪ (2014年10月5日 21時) (
レス) id: 55b24aa62f (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - すみません、始めましてじゃなくて初めまして？でした… (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
まお(プロフ) - 始めまして！とっても面白いです！そして温かいお話ですね…。ちなみに私は浦正くん推しです。更新いくら遅くとも待ちます！それくらいこのお話が好きです。応援してます。頑張ってください！ (2014年10月5日 21時) (レス) id: 3cad231990 (このIDを非表示/違反報告)
杜若蒼(プロフ) - TAMIKOさん» 了解でーす♪書き上げ次第更新しますね♪コメントありがとうございます♪ (2014年5月24日 4時) (レス) id: 064ab8f00f (このIDを非表示/違反報告)
TAMIKO(プロフ) - 早くー！続きー！待ってます！ (2014年5月24日 0時) (レス) id: 73739dc8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杜若蒼 | 作成日時：2014年3月24日 14時
