JC探偵の秘密の話

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舞さんが死ぬ１時間前、私と舞さんはとあるカフェで会っていて、その後別の場所でこの世を去った。
他の元子役仲間から連絡があってその場所に行ってみると既に規制線があり、近づく事さえできなかった。
報道関係者も集まっていたので少し変装をしてよく見ると、遠目にシーツをかけられた遺体らしきものがあり、どうしてもそっちへ行きたかった。
近くにいた警官に１時間前に舞さんと会っていた事を話すと、中に入る事を許された。
もう、現場の鑑定などはすべて終わった後だったから。
そこに現れたのが西野だ。

「彼女を中に入れた所で意味はないですよ。何の参考にもならないでしょう。邪魔なのでとっとと出してください」
その言葉を聞いた警官は手のひらを返し、「ここを出なさい」と、私を追い出そうとした。
「……なっ！待ってください！彼女に会うくらい良いじゃないですか！」
すると西野は口を私の耳元に近づけ、囁いた。

「あんたただの友達か何かでしょ。誰かは知らないけど、あんたみたいな役立たずより、私みたいな頭の良い探偵がいた方が良いじゃない」

実際の所、１時間前に会っていた私は参考人として充分だ。
それに、参考人なら現場を荒らさない程度になら会っても良いと、探偵になっても私はそう思う。
実際、最初は入ることを許されたのだし。
西野は、話せば話す程、自分の地位に酔った愚かな人間だと分かった。

皮肉な事に、この事件によって西野は知名度をぐっと上げた。
そして、犯人は誰か発表する際、西野の言葉選びが間違っていたせいで私は怪我を負った。

……これが、私が探偵になりたいと思った出来事。

こんな探偵が警察に発言を撤回させるほど信頼され、注目されるのは間違っている。
そう、思った。

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