23.発した一言 ページ25
You side
会場の熱気で頭が痛くなりそうになるなか、
ステージ上では揉め事が起こってるようで。
ユメミのマネージャーも
大きなキャリーバッグを手にしてやってきた。
__中には、5000万が。
5000万なんて、この学園のお金もちでさえ身震いする金額だろうなぁ。
勝てばいいけれど、その分リスクが大きすぎて誰も掛けようとは思わないんだ。
わたしがそう考えていると、
会場はとたんに静まり返った。
その代わりに聞き覚えのある声が聞こえる。
これは、もしかして_____。
きっとライブ後の楽屋で録音されたであろう音声。
ユメミがファンに大して暴言を吐いている時の声色は
いつにも増してひどく荒れていた。
蛇喰夢子の手にはビリビリに破かれた手紙をテープで繋ぎとめたものが。
位置が遠くて文字は見えないけど、きっとこれはファンの手紙。
『…ありゃりゃ、どうするのかな』
る「まっさかこんなことになるなんてねぇ〜?
豆生田くん??」
豆「…」
るなにそう言われても、何かを考える様に黙る楓。
何か対策を考えているのかな…。
録音テープとビリビリに破かれた手紙をファンに見せることとなってしまったユメミ。
ずっと下を向いて、涙をためていた。
ここまで頑張ってきたものが一気に崩れて
今まで勉強や青春の時間までもを掛けてきたのに、パッと消えてしまった。
ファンはまさかの事態に驚いていて
騒ぎながらもユメミの方を向いていた。
……信じたいよね、そりゃあ…。
そう思っている時、
ずっと黙り続けていたユメミが口を開いた。
ユ「…手紙を楽屋から持ち込める人って、
私と沙織以外には生徒会役員しかいないはずなの。
沙織がこんなことをするわけないし…
このギャンブルを企画、準備を手伝ってくれた
豆生田くん、どういうことかなっ☆」
そう言って一番奥に座る、楓に視線を移したユメミ。
それによって視線は一気に楓に集まった。
「生徒会の奴がやったのか…!?」
「仲間内でやりあうなんて…!」
「ユメミちゃんに謝れ!!」
ファンは思い思いに言葉をぶつけた。
それにも動揺せず、表情を変えずにいる楓。
…何を考えているのかは、わたしにもわからないけど。、
…
ラッキー☆賭ケグルイキャラ
生志摩 妄
397人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ